研究課題
奨励研究
従来のコカインの簡易検査法であるスコット試験では、コカインとα-PVP等に代表される一部のカチノン系薬物の識別が困難であったが、本研究により開発した試験法で、その識別が可能となった。本試験法は、既存の呈色試薬による呈色を確認後、添加剤を加え攪拌し、色の変化を観察するという手法である。また、既存の別の呈色試験を併用することで、より強固にコカインの誤判定を防ぐことができ、新しいコカインの簡易検査法として応用可能であると考えられる。
化学、有機化学、分析化学
現在、覚醒剤や大麻は、簡易検査試薬を用いることで、迅速な取り締まりが可能となっている。一方、コカインについては、現在は簡易検査による取り締まりは行われていない。その大きな要因の一つが、コカインの簡易検査法であるスコット試験では、α-PVP等のその他の薬物にも一部陽性反応を示してしまうためである。本研究成果を応用することで、この問題を解決し、将来コカイン所持者の迅速な取り締まりを行うことができると期待される。