研究課題/領域番号 |
19H00517
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
室井 尚 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (50219953)
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研究分担者 |
吉岡 洋 京都大学, こころの未来研究センター, 特定教授 (70230688)
秋庭 史典 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (80252401)
佐藤 守弘 京都精華大学, デザイン学部, 教授 (10388176)
吉田 寛 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (40431879)
カルパントラ ファビアン 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 講師 (00750142)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 美学 / 芸術学 / 比較文化 / ポップカルチャー / 文化研究 |
研究実績の概要 |
本基盤研究は、31年度に交付の通知を受け、1年目は研究実施計画に書いた全ての事業を滞りなく実施することができた。 7月末にセルビアのベオグラード工科大学で開催された第21回国際美学会にてラウンドテーブルを組織し、研究発表と討議を行った。また、9月上旬に行われたアルゼンチン公立美術大学での第14回国際記号学会にも研究代表者、研究分担者による研究発表を行った。研究会としては、5月と9月に横浜で開催し、それぞれ三年間の計画に関するミーティング、国際記号学会・国際美学会の報告及び総括の議論を行った。それに加えて予定にはなかった東京、愛知、京都などで公開のシンポジウムを全5回にわたって実施している。 以前から継続して開催している一般公開の大規模な研究集会「ストリーミングの美学-"Netflix Nations"のRamon Lobato氏を迎えて」を1月26日に横浜・馬車道駅のYCC ヨコハマ創造都市センター3Fにて開催した。研究分担者・ファビアン・カルパントラがコーディネーターを務め、約80人の一般参加者・研究者・学生を集めた。研究グループのほかに特別ゲストとして、ラモン・ロバト氏(ロイヤル・メルボルン工科大学)が参加し発表を行ったほか、研究代表者、分担者の全員を加えた4時間にわたる議論を行い、そのすべてを冊子にまとめ公刊した。また、全ページを室井研究室のホームページにてPDF版で公開している。 上記に加え、先述したシンポジウムの報告書(秋庭史典編『SNSと文化創造』、佐藤守弘編『Unpopular Pop:脱マスメディア時代のポピュラーカルチャー』)と研究分担者・吉岡洋による報告書『Minima Aesthetica』を発行し、本年度の成果として内外に公開している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記概要にも記したように、本事業の1年目も研究実施計画に書いた全ての事業をほぼ滞りなく実施することができた。研究代表者、各研究分担者の研究もさらに深化し、その成果を内外に広く公開することができた。 さらにこれまでになかった試みとして、研究分担者の主催による公開の研究会が京都・名古屋・東京でも開催され、それぞれにおいてこのテーマに関心をもつ聴衆を多数集めることができたということが挙げられる。全体の研究集会「ストリーミングの美学」に関しても、学生のみならず研究テーマに関心をもつ多くの社会人が集まり、熱心に話を聞いてくれた。 31年度(R元年度)においては、二回の海外学会に複数の代表者、研究分担者が参加し、それぞれのラウンドテーブルや研究発表に対しても多くの反響を得ることができた。海外からの日本におけるポップカルチャー研究に対する関心はきわめて高く、今後もこのような情報発信を続けていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
2年目であるR2年度は、計画書にも書かれた通り、小規模の公開研究会を複数回開催するとともに、年度末に公開研究集会を開催する方針である。しかしながら、新型コロナウイルスの影響で公開の研究会・研究集会の実施が困難である場合は、オンラインや報告書の出版などの代替手段によって研究成果を広く世間に発信していくことも検討ていきたい。 現時点は海外ばかりではなく国内の移動も自粛せざるをえない状況であり、研究の推進が遅延する危惧があるが、研究グループ内の意思疎通や情報交換をより密にして、できる限りの努力をしていきたいと考えている。
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