研究課題
基盤研究(A)
本研究は、従来社会学、文学研究、歴史学等によって個別に担われてきた現代のポップカルチャー研究を、美学・芸術学を統合の基盤としつつ「脱マスメディア時代」という視点から包括的に捉えようとするものである。ポップカルチャーは20世紀末~21世紀にかけてインターネットやSNS等が台頭する基盤メディアの変容の影響下にあるが、本研究はそうした視点のもとに「ポップカルチャー美学」を解明することを特色としている。本研究の学術的意義は、ポップカルチャーの今日的な形成を、美学的な統合基盤としての「ポップカルチャー・ワールド」という独自の概念を活用しつつ、「脱マスメディア時代」として特徴づけうるような、基盤メディアの激しいダイナミズムの状況下で総合的に解明しようとする点にある。日本文化の国際発信を担い、今日的要請に応じた成果を期待しうる研究である。