研究課題
基盤研究(A)
石造物などに残された資料である金石文について、拓本や実測図を集積し、デジタル撮影方法の研究開発を行うとともに、金石文研究データベースを作成し、もともと文献資料が乏しい大都市圏以外の地域社会の歴史叙述に反映させることをめざすものである。大規模かつ良質な金石文資料が残る、宮城・奈良・大分を主なフィールドとする。支配者層以外の民衆の宗教世界などを示す、地域の重要な資料として新たに注目されている金石文について、最新の技術による研究資源化と文化財保存の基礎となるものと評価される。また、地元に密着した石造物調査の経験が豊富な研究者を各フィールドに配しており、地域の歴史叙述の深化や、歴史学研究者と地域社会の連携強化も期待される。