研究課題/領域番号 |
19H00538
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
青山 亨 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90274810)
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研究分担者 |
田畑 幸嗣 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60513546)
原田 あゆみ 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部文化財課, 課長 (20416556)
佐藤 桂 武蔵野大学, 環境研究所, 客員研究員 (80454198)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 東南アジア古代史 / 東南アジア考古学 / 東南アジア建築史 / 東南アジア美術史 / 東南アジア碑文研究 / 東南アジア仏教美術史 |
研究実績の概要 |
本研究は、東南アジア史における「古代」の下限である14・15世紀を中心としてその前後を含めた時代に焦点をあて、古代インド的原理に基づく古代的王国の没落と、イスラームあるいは上座仏教に基づく「近世」的王国の台頭が交差するクリティカルな時代の実態を明らかにすることを目的とする。 今年度は、5月11日・12日、7月27日・28日、11月30日・12月1日、2月8日・9日の計4回、いずれも早稲田大学で研究会を開催し、研究報告と議論を積み重ねた。研究報告は原則として一般公開として、他分野の研究者との意見交換および一般聴衆への研究成果の還元を促進した。 研究会での議論を踏まえて、8月17日から8月29日にかけて、考古学、美術史、建築史、刻文研究、文献史学の専門家による共同調査隊によってインドネシアのジャワ島西部と東部、ボルネオ島南部における考古学的遺跡および遺物の調査をおこなった。この調査により、1)ジャカルタ国立博物館所蔵の彫像・刻文を調査し、過去の現地調査の成果と対照することができた。2) 近年調査の進んだジャワ島西部の海岸部の遺跡及び現地調査困難であった内陸部の遺跡及び刻文の位置及び現況を確認することができた。3)ボルネオ島南部の遺跡の現況を確認することができた。4)ジャワ島東部の14世紀のマジャパヒト遺跡群及び現地発掘の遺物を調査することができた。 共同調査とは別に考古学専門家によるカンボジア遺構調査、建築史専門家によるミャンマー伝統建築の調査、美術史専門家によるタイ仏教遺物の調査も実施し、これらの調査の成果は研究会での報告を通じて、研究に還元された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り研究会の開催を積み重ねている。研究報告を原則として一般公開にすることで他分野の専門家との意見交換および一般聴衆への研究成果の還元を実現している。 個別の現地調査を実施するとともに、共同調査においてはインドネシアのジャワ島とボルネオ島を集中的に調査することで、研究テーマに関する知見を深めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も研究会の開催を積み重ねることで、研究者間の知見の共有と認識の深化をはかっていく。個別調査を継続するとともに、共同調査においては大陸部のカンボジアとタイでの広域調査を実施する。とくに次年度においては、編年プラットフォームのウェブ上での視覚的表示のあり方について検討を進める予定である。
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備考 |
扶南からマジャパヒトまで、文献・刻文・考古・美術・建築など諸分野横断的方法により、個別地域を東南アジア史のなかで捉えなおす。
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