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2022 年度 実績報告書

第三の発掘-人為化石が開拓する未来の考古資料学の構築

研究課題

研究課題/領域番号 19H00541
研究機関熊本大学

研究代表者

小畑 弘己  熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (80274679)

研究分担者 小林 啓  九州歴史資料館, 文化財企画推進室, 研究員(移行) (20638457)
中沢 道彦  明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (40626032)
櫛原 功一  帝京大学, 付置研究所, 准教授 (50642526)
佐々木 由香  金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 特任准教授 (70642057)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードX線機器 / 土器圧痕 / 3Dレンダリング / 潜在圧痕 / 土器包埋炭化物
研究実績の概要

土器粘土の中には土器製作時に土器製作場にいた生物である種実や昆虫が混在し、土器圧痕として認識される。また、土器製作者が意図的にそれらを混入したと思われる例もみうけられる。これらのタネやムシは先史時代の生活環境やそれらに対する精神性を探る上で貴重な情報源であり、考古学が手にした新たな資料群といえる。
本研究はそれらの探査を主目的とする。このため本研究課題では有用植物や栽培植物、さらには家屋害虫の実態を探るため、土器粘土中の種実や昆虫の痕跡を精確に捉えるために、土器圧痕調査におけるX線機器(軟X線撮影機能・X線CTスキャンニング機能)による調査法と3D画像処理手法を確立することを目的とする。これに関しては、2022年度においてほぼ手法を確立していた。また、本科研で得られた種実や昆虫の3Dデータの一部は昨年度に図録およびHP上にて公開を行っていた。ただし、アーチングの問題や機器構造上の問題点などから精確な画像を得ることができない場合があり、これが課題として残されていた。この問題は機器の違いや撮影ピッチ、撮影時間、さらには土器の胎土や形態に原因があることが判明し、2023年度はその修正を行ってきた。また、これら開発した手法を公開する必要性から、2023年度後半から本研究課題の総括と成果公開のため、旧来の方法である圧痕レプリカ法の手法と土器包埋炭化物抽出法を含む、すべての土器圧痕調査法に関する技術(マニュアル)の紹介と既発表の圧痕データ・関連文献・出土遺跡を含む『土器圧痕集成1~3巻』を印刷・発行した。また、それらを収録したデジタルデータもDVDで公開した。よって、本科研の目的はほぼ達成できたものと考える。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] タイムカプセルと魔法の杖-土器圧痕法の現在(いま)-2024

    • 著者名/発表者名
      小畑弘己
    • 雑誌名

      milsil

      巻: 17-2 ページ: 6-7

  • [雑誌論文] ICTによる考古学/縄文土器解析研究の最前線~軟X線による圧痕調査法「熊大方式」で土器の中を覗く2023

    • 著者名/発表者名
      小畑弘己
    • 雑誌名

      電波技術協会報 FORN

      巻: 352 ページ: 22-25

  • [雑誌論文] 縄文土器に残るゴキブリの卵鞘圧痕の研究2023

    • 著者名/発表者名
      小畑弘己
    • 雑誌名

      ペストコントロール

      巻: 203 ページ: 22-26

  • [雑誌論文] 潜在圧痕・土器包埋炭化物測定法2023

    • 著者名/発表者名
      小畑弘己
    • 雑誌名

      考古学ジャーナル

      巻: 786 ページ: 22-25

  • [学会発表] 土器圧痕からみた縄文時代の昆虫と家屋害虫2023

    • 著者名/発表者名
      小西和彦・吉冨博之・佐々木由香・小畑弘己
    • 学会等名
      第89回日本考古学協会総会研究発表:セッション2:土器は何を語るか-学術変革領域研究(A)『土器を掘る』の中間成果報告-
  • [学会発表] 土器包埋炭化物法による縄文時代最末期~弥生時代の穀物流入と展開2023

    • 著者名/発表者名
      小畑弘己・國木田大・宮地聡一郎・大森貴之・尾嵜大真・米田穣
    • 学会等名
      第89回日本考古学協会総会研究発表:セッション2:土器は何を語るか-学術変革領域研究(A)『土器を掘る』の中間成果報告-
  • [学会発表] X線CT法が見せる未知の世界-最近のトピックを中心として-」2023

    • 著者名/発表者名
      小畑弘己
    • 学会等名
      日本文化財学会第40回記念大会 WG土器を掘る
  • [学会発表] 特別講演 X線CT導入による考古学的史観の変革-土器中のタネやムシが語る新たな世界-2023

    • 著者名/発表者名
      小畑弘己
    • 学会等名
      日本看護技術学会第21回学術集会キーセッション
    • 招待講演
  • [図書] 土器圧痕集成1-32024

    • 著者名/発表者名
      小畑弘己(編著)
    • 総ページ数
      988
    • 出版者
      熊本大学
  • [備考] 熊本大学大学院人文社会科学研究部 小畑弘己研究室

    • URL

      http://www.fhss.kumamoto-u.ac.jp/archaeology/kokuzo/research/profile/

  • [備考] 土器を掘る:22世紀型考古資料学の構築と社会実装を目指した技術開発型研究

    • URL

      http://www.fhss.kumamoto-u.ac.jp/archaeology/earthenware/

  • [備考] 文部科学省学術変革領域研究(A)「土器を掘る」デジタルミュージアム

    • URL

      https://dokiwohoru.jp/

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公開日: 2024-12-25  

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