• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

19世紀を中心とした軍事的学知をめぐる人と書物の交錯

研究課題

研究課題/領域番号 19H00547
研究機関早稲田大学

研究代表者

谷口 眞子  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70581833)

研究分担者 中島 浩貴  東京電機大学, 理工学部, 准教授 (00599863)
竹本 知行  安田女子大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (00631904)
小松 香織  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10272121)
丸畠 宏太  敬和学園大学, 人文学部, 教授 (20202335)
斉藤 恵太  京都教育大学, 教育学部, 准教授 (20759196)
柳澤 明  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50220182)
長谷部 圭彦  東京大学, 東洋文化研究所, 特任研究員 (60755924)
原田 敬一  佛教大学, 歴史学部, 名誉教授 (70238179)
佐々木 真  駒澤大学, 文学部, 教授 (70265966)
吉澤 誠一郎  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (80272615)
鈴木 直志  中央大学, 文学部, 教授 (90301613)
小暮 実徳  天理大学, 文学部, 准教授 (90537416)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード19世紀 / 軍人 / 書物 / 学知 / 移動 / 戦争 / 情報 / 外交
研究実績の概要

2021年度も新型コロナウィルス感染症が世界的に流行した。2021年度予算で2021年度に実施した研究活動は以下の①~④の通りである。なお、一部の予算を2022年度に繰り越し、2022年度にフランス、オランダ、トルコで海外史料調査を実施し、鳥羽・伏見の戦いの戦跡視察も行って、2022年度に2021年度計画はすべて終了した。
①早稲田大学高等研究所・「軍隊と社会の歴史」研究会との共催による公開講演会は、いずれもハイフレックス方式で行った。2021年4月に「ドイツ植民地戦争論のなかの義和団戦争」、7月に「フランス陸軍将校デュ・ブスケ(ジブスケ)の国際移動と知の交流―第1次軍事顧問団少尉から兵部省・左院・元老院付御雇外国人、そして在日フランス領事」、10月に「幕末維新期における西洋兵学の受容―翻訳兵書の分析視点―」を開催した。
②科研集会はハイフレックス方式で5回、zoom形式で6回、全部で11回実施した。代表者会議は新潟で1回開催し、新潟県立文書館で資料調査も行った。2022年1月には2泊3日で小倉・下関を視察し、下関市立歴史博物館館長や地元の郷土史家から説明を受けた。研究者だけではなく、地域の歴史研究者との交流を通じて、本科研の考え方や成果を共有することも重要であると認識した。
③海外との共同研究については、研究代表者と3人の海外共同研究者の計4人で、8月のEAJS(ヨーロッパ日本学会)でパネル報告した(コロナのためzoom開催)。また、その1人が2021年夏に来日し、早稲田大学高等研究所や早稲田大学総合人文科学研究センターと共催で講演会や行い、文学部・大学院の授業でも講師を務め、研究を教育の場にも活かすことができた。
④2021年度は国内外の講演会や研究発表がzoom開催されるようになり、研究代表者も招待講演をzoomで行った。研究成果は例年通り多岐に渡った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

①ネット環境が整い、オンライン開催にも慣れたため、1年間で11回の科研集会と3回の公開講演会、1回の代表者会議を開催することができた。各自が作成しているデータを共有する設定も決まったので、今後はそれを利用した議論が活発化すると期待している。
②2020年度からの繰越金で長崎・平戸の現地視察を2021年8月初旬に行った。研究分担者に日蘭関係の専門家がいるので、その解説を受けながら3泊4日で視察した。8月下旬にはコロナ感染者が急増したので、実施できたのは運がよかった。この現地視察・史料調査の完了をもって、2020年度の研究は予定通り終了した。
③2022年1月初旬に2泊3日で小倉・下関を訪れ、四国連合艦隊砲撃事件や第二次長州戦争に関する史跡を視察し、下関市立歴史博物館館長や地元の郷土史家から説明を受けた。1月下旬にはコロナ感染者の急増で、大学の授業もオンラインを強いられたので、実施できて幸いだった。研究者だけではなく、地域の歴史研究者との交流を通じて、本科研の考え方や成果を共有することも重要であると認識した。
④海外との共同研究については、研究代表者とフランス2人、イギリス1人の共同研究者の計4人で、2021年8月26日の第16回EAJS(ヨーロッパ日本学会)大会でパネル報告した(コロナのためzoom開催)。また、その1人が2021年7月末から来日し、早稲田大学内の研究所や研究センター、さらに文学部・大学院との連携で、研究成果を研究・教育の場で発表した。
⑤研究代表者が12月初旬に島根県津和野町で行った招待講演で、島根県津和野町と岡山県津山市と大分県中津市が、洋学関連地として「三津同盟」構想を行政レベルで考えていることを知った。本科研分担者が津山洋学資料館とコネクションがあることから、2022年8月に津山で公開科研集会を開き、研究成果を発表して交流を始める企画の策定に着手した。

今後の研究の推進方策

①早稲田大学高等研究所との共催による公開講演会については、4月(日本史)、7月(オスマン史)、10月(ドイツ史)の3回開催することになっており、すでに日時と講演者は決定している。
②科研集会については、ハイフレックス4回とzoom6回の計10回、代表者会議は1回、開催する予定で、日時はすでに決定している。
③2022年8月に、幕末の洋学中心地だった津山で公開科研集会を開き、専門家と交流を深めることにより、日本の洋学導入において兵学・軍事学がいかなる位置を占めていたのかを考える。津山の洋学については、津山洋学資料館が研究拠点として精力的に活動しているので、元館長・現館長と交流し、洋学史跡視察も行って研究を進めたい。また11月には代表者会議のメンバーと、津和野町で開催される西周シンポジウムに参加する予定である。交流を深めることによって、「蘭学・洋学三津同盟」参画への出発点になればと考えている。
④コロナ禍により懸案となっていた海外学術調査については、2022年度に予算を繰り越した。その結果、2022年度には日本からの出入国が一部緩和されたことにより、フランスに2人、オランダに1人、トルコに1人派遣して、海外史料調査が実施できた。中国への出入国は依然として困難なため、鳥羽・伏見の戦いの戦跡視察を行った。
⑤海外共同研究者の1人が勤務するフランスのリール大学で、2023年9月にシンポジウムを開く予定なので、2022年度後半から準備を進める。

備考

鈴木直志「【書評】中島浩貴『国民皆兵とドイツ帝国―一般兵役義務と軍事言説』」『西洋史学』272号、佐々木真「2020年度歴史学研究会大会報告批判 合同部会」『歴史学研究』1009号、斉藤恵太「近世世界と「鎖国」日本―世界の一体化と国のかたちをめぐる諸問題」京都市教育委員会・京都市立中学校教育研究会:社会科夏期研修講座・社会科教員指導力向上講座

  • 研究成果

    (23件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (9件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] リール大学(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      リール大学
  • [国際共同研究] EHESS(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      EHESS
  • [国際共同研究] ノッティンガム大学(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      ノッティンガム大学
  • [雑誌論文] ドイツ軍事雑誌における日露戦争の受容2022

    • 著者名/発表者名
      中島浩貴
    • 雑誌名

      軍事史学

      巻: 57巻4号 ページ: 78-97

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 年金受給にみるオスマン帝国の「長い10年」―オスマン海運経営会議議事録から―2022

    • 著者名/発表者名
      小松香織
    • 雑誌名

      早稲田大学 教育・総合科学学術院 学術研究(人文科学・社会科学編)

      巻: 第70号 ページ: 229-245

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 長州藩の慶応期軍制改革に関する一考察2021

    • 著者名/発表者名
      竹本知行
    • 雑誌名

      軍事史学

      巻: 57巻1号 ページ: 118-140

    • 査読あり
  • [学会発表] 書評会:新谷卓・中島浩貴・鈴木健雄編著『歴史のなかのラディカリズム』(彩流社、2021年)2022

    • 著者名/発表者名
      中島浩貴
    • 学会等名
      現代史研究会
  • [学会発表] 西周の軍事思想―その世界史認識と日本の独立国家像―2021

    • 著者名/発表者名
      谷口眞子
    • 学会等名
      島根県立大学・津和野町主催「第18回西周シンポジウム]
    • 招待講演
  • [学会発表] Jules Brunet’s teaching to Meiji Japan in transnational and international perspective2021

    • 著者名/発表者名
      Shinko TANIGUCHI(谷口眞子)
    • 学会等名
      16th International Conference of the European Association for Japanese Studies
    • 国際学会
  • [学会発表] The Eight Banner System and Ethnic Transformation in 17-19 c. Manchuria2021

    • 著者名/発表者名
      Akira YANAGISAWA(柳澤明)
    • 学会等名
      23rd Biennial Conference of European Association for Chinese Studies
    • 国際学会
  • [学会発表] 近世フランスの主権と国家:小シンポジウムⅢ「礫岩のような国家」に見る「主権」理解の批判的再構築2021

    • 著者名/発表者名
      佐々木真
    • 学会等名
      第71回日本西洋史学会大会
  • [学会発表] 近世プロイセン軍の連隊長人事と帝国諸侯2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木直志
    • 学会等名
      比較国制史研究会
  • [学会発表] 早稲田大学高等研究所公開講演会コメント「大村益次郎訳『活版兵家須知戦闘術門』に関する一考察」2021

    • 著者名/発表者名
      竹本知行
    • 学会等名
      早稲田大学高等研究所
  • [図書] 大村益次郎―全国を以て一大刀と為す2022

    • 著者名/発表者名
      竹本知行
    • 総ページ数
      516
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623093670
  • [図書] 監修『論点・東洋史学――アジア・アフリカへの問い158』2022

    • 著者名/発表者名
      吉澤誠一郎
    • 総ページ数
      362
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623092178
  • [図書] 分担執筆「清朝時代のモンゴル社会」『東アジアと東南アジアの近世:15~18世紀』(岩波講座世界歴史12)2022

    • 著者名/発表者名
      柳澤明
    • 総ページ数
      308
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      978-4-00-011422-6
  • [図書] 分担執筆「第6章 アムール上流域調査 ─アルバジンとスタノヴォイ山脈」「第7章 ザバイカル調査 ─ネルチンスクとウラン・ウデ」細谷良夫編著『清朝の史跡をめぐってⅡ──アムール流域篇──』2022

    • 著者名/発表者名
      柳澤明
    • 総ページ数
      189
    • 出版者
      東洋文庫
    • ISBN
      978-4-8097-0311-9
  • [図書] 分担執筆「近世プロイセン軍における諸侯連隊-家門政策の手段としての連隊」松本悠子・三浦麻美編『歴史の中の個と共同体』2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木直志
    • 総ページ数
      508
    • 出版者
      中央大学出版部
    • ISBN
      978-4-8057-4215-0
  • [図書] 分担執筆「オスマン帝国の近代化は教育をどう変えたのか」歴史学会編『歴史総合 世界と日本』2022

    • 著者名/発表者名
      長谷部圭彦
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      戎光祥出版
    • ISBN
      978-4-86403-422-7
  • [図書] 愛国とボイコット――近代中国の地域的文脈と対日関係2021

    • 著者名/発表者名
      吉澤誠一郎
    • 総ページ数
      304
    • 出版者
      名古屋大学出版会
    • ISBN
      9784815810481
  • [図書] 歴史のなかのラディカリズム2021

    • 著者名/発表者名
      新谷卓・中島浩貴・鈴木健雄編著
    • 総ページ数
      213
    • 出版者
      彩流社
    • ISBN
      978-4-7791-2757-1
  • [図書] 分担執筆「北辺からみる『大清一統志』」小二田章・高井康典行・吉野正史編『書物のなかの近世国家:東アジア「一統志」の時代』2021

    • 著者名/発表者名
      柳澤明
    • 総ページ数
      277
    • 出版者
      勉誠出版
    • ISBN
      978-4-585-32505-5
  • [備考] 基盤研究(A)19世紀を中心とした軍事的学知をめぐる人と書物の交錯

    • URL

      https://www.military-knowledge-19c.com

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi