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2020 年度 実績報告書

シグナル物質の作用機序とラッカーゼの構造解析による高品質漆生成技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19H00551
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

田端 雅進  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究専門員 (40353768)

研究分担者 高野 麻理子  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (10353749) [辞退]
渡辺 敦史  九州大学, 農学研究院, 教授 (10360471)
福田 健二  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (30208954)
井城 泰一  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所 林木育種センター, 主任研究員 等 (40370845)
本多 貴之  明治大学, 理工学部, 専任准教授 (40409462)
小谷 二郎  石川県農林総合研究センター(林業試験場), 石川県農林総合研究センター(林業試験場), 研究員(移行) (40450811)
黒田 克史  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90399379)
中村 雅哉  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究専門員 (50353793)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードウルシ / 高品質漆 / シグナル物質 / ラッカーゼ
研究実績の概要

最適な濃度のエスレルを複数のクローンに塗布した木と塗布していない木からの漆を分析した結果、処理区で漆滲出量に差はみられなかったが、ウルシオール(脂質)量、水分量、ラッカーゼ(酵素)活性値に差がみられた他、傷処理およびエスレル処理を行ったウルシ4クローンについて樹脂道の発達を観察した結果、傷とエスレルを処理した個体で樹脂道平均面積、樹脂道個体数率、樹脂道合計面積率がともに最も大きいことを明らかにした。一方、漆滲出量の少ないクローンでは、はっきりとした傾向はみられず、漆滲出量に対しエスレル処理の効果はみとめられなかった。また、ウルシで発現する遺伝子配列を網羅的に単離した結果、ラッカーゼ遺伝子は作成したウルシ遺伝子データベースに15遺伝子の配列が含まれていた。さらに、SDS-PAGEでラッカーゼを分離精製し、分子量を分析した結果、ラッカーゼの分子量は100kDa、単一ユニットの酵素であることを明らかにした。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は漆がよく出るクローンと漆があまり出ないクローンに最適な濃度のエスレルを塗布した木と塗布していない木からの漆を分析した結果、処理区で漆滲出量に差はみられなかったが、ウルシオール(脂質)量、水分量、ラッカーゼ(酵素)活性値に差がみられた他、漆滲出量の多いクローンでは傷とエスレルを処理した個体で樹脂道平均面積、樹脂道個体数率、樹脂道合計面積率がともに最も大きいことを明らかにした。一方、漆滲出量の少ないクローンでは、はっきりとした傾向はみられず、漆滲出量に対しエスレル処理の効果はみとめられなかった。また、ラッカーゼ遺伝子は作成したウルシ遺伝子データベースに15遺伝子の配列が含まれていることを明らかにし、ラッカーゼの分子量は100kDa、単一ユニットの酵素であることを明らかにした。以上の結果は当初の目的を達成しており、おおむね順調に進展していると考えた。

今後の研究の推進方策

傷処理とエチレン処理により形成される樹脂道の発達程度を詳細に解析するとともに、各処理が漆滲出量の違いに与える影響を明らかにする。ウルシ幹部位で発現するラッカーゼ遺伝子の単離を行い、ラッカーゼ遺伝子の特徴を明らかにする。さらに、ラッカーゼの精製を行い、ラッカーゼの構造を明らかにする。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Comprehensive analysis of the isozyme composition of laccase derived from Japanese lacquer tree, Toxicodendron vernicifluum2021

    • 著者名/発表者名
      TAKANO Mariko, NAKAMURA Masaya, TABATA Masanobu
    • 雑誌名

      Journal of Wood Science

      巻: 67 ページ: 1-10

    • DOI

      10.1186/s10086-021-01943-1

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 良質な漆の生産とウルシ材の利用を目指す健全なウルシ林の造成2021

    • 著者名/発表者名
      田端雅進
    • 雑誌名

      グリーン・エージ

      巻: 48 ページ: 24-28

  • [雑誌論文] 国産漆の増産を目指して-日本の伝統文化を継承するために-2020

    • 著者名/発表者名
      田端雅進
    • 雑誌名

      森林技術

      巻: 944 ページ: 2-6

  • [雑誌論文] ウルシ林造成に向けた保育管理と病虫獣害防除2020

    • 著者名/発表者名
      田端雅進
    • 雑誌名

      森林技術

      巻: 944 ページ: 16-19

  • [学会発表] 漆生産の効率化に向けたウルシ遺伝情報の整備2020

    • 著者名/発表者名
      加藤春流、田村美帆、田端雅進、渡辺敦史
    • 学会等名
      第76回九州森林学会

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公開日: 2022-12-28  

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