研究課題/領域番号 |
19H00554
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
外川 昌彦 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (70325207)
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研究分担者 |
村山 真弓 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 研究支援部, 部長 (10450454)
杉江 あい 名古屋大学, 高等研究院(環境学), 特任助教 (10786023)
中谷 哲弥 奈良県立大学, 地域創造学部, 教授 (50285384)
日下部 尚徳 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (60636976)
石坂 貴美 関東学院大学, 経済学部, 講師 (60804606)
置田 清和 上智大学, 国際教養学部, 助教 (70708627)
藤田 幸一 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (80272441)
山根 聡 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (80283836)
池田 昭光 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (10725865)
西井 凉子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20262214)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | インド / バングラデシュ / パキスタン / イスラーム化 / 南アジア |
研究実績の概要 |
2019年度は、プロジェクトの初年度として、ロヒンギャ難民問題についての公開シンポジウム(6月30日、東京外大)を開催するなど、内外で7回の公開研究会を開催した。 具体的には、AA研の外国人研究員として来日したAbhijit Dasgupta教授(インド・デリー大学)と研究分担者の中谷哲弥氏他による研究会(6月15日、本郷サテライト)、バングラデシュの開発支援に関する若手研究者2名による研究会(7月31日、東京外大)、南アジアの在日ムスリム留学生に関する2名の研究者による研究会(9月27日、東京外大)、バングラデシュ・ダカでの国際シンポジウム(10月19日、ダカ・インディペンデント大学)、大学院生2名による開発NGOと地域社会の問題についての研究会(11月27日、本郷サテライト)、ムスリム社会の被差別民の問題を報告する研究分担者杉江あい他による、南アジアのダリトの表象をめぐる問題についての研究会(2020年2月17日、東京外大)を行った。 現地研究者を組織した現地研究プロジェクトについては、チタッゴン農村社会での世帯別基礎調査プロジェクト、中間層の消費社会化にともなう新たなハラール市場の形成を解明するプロジェクト、マドラサ神学校と地域住民のイスラーム教育に関する認識を調査するプロジェクト、ボグラ地方の農村調査に関わる予備調査の、4つの現地調査プロジェクトを実施した。 研究者ネットワークの構築や若手研究者の育成を目的として、Humayun Kabir氏(カナダ・ハンバー大学)をバングラデシュでの現地研究に派遣し、その他、2名の若手研究者を日本からングラデシュの現地調査に派遣した。また、来日中のAbhijit Dasgupta教授とは研究成果の公開に向けた出版物の編集を行い、スリランカとベンガル研究に関わる2名の若手研究者を非常勤研究員としてAA研で雇用した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までの進捗状況として、予定していた研究会は、初回の研究分担者による4つの班別の研究会合を含めて8回を数え、おおむね順調に進展した。これまでの報告者の内訳は、大学院生4名を含むのべ21名の日本人研究者による報告と6名のディスカッサント、インド、バングラデシュの9名の現地研究者による報告と7名のディスカッサント他である。このうち、日本ベンガルフォーラムとの共催で企画された、日本に滞在するロヒンギャ難民の当事者の報告を中心としたシンポジウムは、広く社会的な関心も集める公開のイベントとして、100名を超える来場者を見た。 また、各分担者、及び農村社会、地域開発、思想運動、巡礼ツーリズムに関わる4つの研究班に分かれた現地調査・研究活動も予定通りに実施され、おおむね順調に進展している。 進捗状況に関わる懸念事項としては、新型コロナ・ウィルス感染症問題で、2020年3月以降に延期となった予定が見られた。具体的には、2020年3月28日に開催を予定してた研究分担者による報告会は延期となり、同3月に予定していたインドとバングラデシュでの現地調査と研究打ち合わせの予定も中止となった。 以上から、来年度に向けた懸念事項は指摘されるが、本年度の研究の進捗状況については、おおむね順調に進展したと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方法については、新型コロナ・ウィルス感染症問題の余波を受けて、計画の見直しを迫られた予定が見られる。具体的には、2020年6月6-7日に開催を予定していた「宗教と社会」学会における企画セッション「ムスリム社会の生活世界の多極的な変容」は中止となり、これについては機会を改めて会合を設定し、開催する計画となっている。 また、年度末の2020年3月から2020年度前期にかけて予定され、また現地との交渉を進めていた現地調査プロジェクトや研究会の開催については、社会情勢や海外渡航の状況を注視しつつ、対応を進める必要がある。特に、現地調査に関しては、現地受け入れ国の情勢や現地社会の情況を踏まえながら、対応を検討することが必要となっている。
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