研究課題
本年度は、COVID-19の継続とロシアのウクライナ侵攻の影響により、海外での現地調査は実施できなかったため、国内での凍土荒廃の検出と社会影響に関する文理融合解析を発展させ、最終年度の成果導出と取りまとめを進めた。凍土荒廃の検出と地図化には、ALOSシリーズの合成開口レーダー画像、WorldViewやPlanet Scopeの高解像度可視近赤外画像、AW3D数値標高データ等を収集し、解析を進めた。主要な成果として、東シベリアでの干渉SAR解析から、集落周辺の耕作放棄地などの地表面攪乱があった場所で経年的な沈降が検出された。これらの地域で光学画像を用いたポリゴン地形の空間密度から、その大きさに対応する空間周波数の強弱とサーモカルストの発達程度との関係性を示した。また、干渉SAR解析による地形変位の季節変化との比較から、従来の水―氷の位相変化モデルは地表面の季節変位を説明するには不十分であることが明らかとなった。さらに、東シベリア、アラスカの森林火災跡地での干渉SAR解析から、森林火災後の履歴に沿った凍土荒廃過程の時空間変動が明らかにされた。また、北海道にてPALSAR-2の後方散乱強度による積雪情報の解析と現地検証を行い、寒冷圏陸域での凍土温暖化と関係する積雪空間情報の検出の可能性を示した。凍土荒廃の社会影響について、東シベリアでの集落位置、土地利用区分、道路・インフラ関係の地理情報解析から、先住民の拠点の集落を中心として人口増加と住宅地の拡大が進み、凍土荒廃地域と土地開発がさらに近接する傾向が示された。また、11月、12月、3月に海外の協力研究者と凍土荒廃評価手法について検討を行い、その有効性が確認できたことから、今後現地ステークホルダーへの「凍土荒廃現象影響評価」情報の提供の仕方について、WebGIS等を援用した可視化手法の確立へと繋げていく方針が共有された。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 9件、 招待講演 2件) 図書 (4件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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