研究課題/領域番号 |
19H00578
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
秋山 信将 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (50305794)
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研究分担者 |
佐藤 丙午 拓殖大学, 国際学部, 教授 (30439525)
山田 敦 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (40293146)
池内 恵 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40390702)
森 聡 法政大学, 法学部, 教授 (60466729)
友次 晋介 広島大学, 平和センター, 准教授 (90622019)
天野 修司 日本医療科学大学, 保健医療学部, 准教授 (90645772)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 国際秩序 / パワー・権力 / 科学技術 / 国際制度 / 倫理 |
研究実績の概要 |
2019年度は、3年計画の研究プロジェクトの理論的・資料的基盤の強化に充てた。理論研究面においては、技術と国際政治の関係性を把握しその変容を理論化するための基礎的な研究として、核技術による国際秩序の変容について、より深く理解し、理論的基盤を構築する作業を行い、事例研究面においては、各研究分担者が、それぞれ担当する研究対象に関して資料収集を行いつつ、事実関係の整理やリサーチクエスチョンの精緻化を行うことを目指していた。 理論面における研究の進捗としては、秋山による国家のパワーの概念に関する整理と理論化に関する研究が進行中のほか、友次も原子力や技術における国際協力のあり方を整理する研究を実施している。 事例研究面では、森、池内、佐藤、秋山がそれぞれの分野において中間的な報告ではあるが、いくつかの論考を発表しており、それぞれの事例研究の構想が整理され、今後の研究の理論的基盤が整備されてつつあると言える。また、論文や研究発表という形で成果が具体化されていない分担者も資料・情報の収集は実施しており、2年目に何らかの形で発表を予定している。 他方で、新型コロナウィルス感染症の影響により、3月にカリフォルニア州にて予定されていた、国立ローレンスリバモア研究所との共同国際ワークショップ及びシリコンバレーの実務家との意見交換が中止になったことで、資料・情報収集作業に遅延が生じたほか、リサーチクエスチョンの精緻化という観点でも、いわゆる作業仮説のsense makingとrelevanceの確認ができていないことは、2年目の研究作業の中で消化する必要があると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
分析枠組みの構築、事例研究のための資料収集やリサーチクエスチョンなどに関しては、概ね予定通り進んでいると言えるが、新型コロナウィルス感染症の影響による国際ワークショップの延期により、本研究にとって非常に重要な意味を持つ、現場で実務(政策や技術開発)に携わる研究協力者との議論を実施することができなかったことで、sense makingやrelevanceの検証等の作業を、今後の研究活動と並行して実施する必要がある。今後は、オンラインでの意見交換などを通じてキャッチアップすることになる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の取り組みとしては、まず理論班では1年目に進められた理論の構築作業を進め、プロジェクト全体での議論のたたき台を作成する。それをもとにして、グループ内で議論を重ね、理論(あるいは分析の枠組み)を固める作業を実施する。また、各事例研究においては、資料・情報収集を継続するとともに、それと並行して暫定的な分析・評価に着手する。 これらの作業が論文のドラフトとして一定程度のレベルまで進んだところでワークショップを開催し、内容について議論し検討を行う。特に研究作業と方向性の妥当性について検証を行い、出版に向け内容を精緻化する。また前年度に開催できなかった国際共同ワークショップについても、社会情勢がそれを許容する段階になったところで開催し、実務者との議論を通じて情報の収集を行う
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