研究課題/領域番号 |
19H00589
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川口 大司 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (80346139)
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研究分担者 |
近藤 絢子 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (20551055)
原 ひろみ 日本女子大学, 家政学部, 准教授 (50605970)
深井 太洋 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 特任研究員 (50828803)
田中 万理 一橋大学, 大学院経済学研究科, 講師 (70792688)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 労働経済学 / ミクロ実証経済学 |
研究実績の概要 |
2019年度は三つの課題、「課題1:為替レート変更等の外生ショックに対する雇用・賃金・労働時間調整」、「課題2:企業の業績予測と雇用調整」、「課題3:男女格差解消を目指した法的介入が男女差に与える影響」の分析に使用するデータ構築を行った。 課題1のため「賃金構造基本統計調査」・「雇用動向調査」・「就労条件総合調査」と「工業統計調査」・「商業統計調査」・「企業活動基本調査」を「経済センサス」の情報をキーとしてマッチし、企業―労働者マッチデータを作成した。マッチングに際しては2009年開始の「経済センサス」から得られる情報を追加的に使用することでマッチング精度の向上を図った。マッチングの結果として労働調整の推定に必要な情報をすべて含む事業所・企業データセットを作成した。高いマッチ率を達成することができ実証分析を行うにあたって有用なデータを作成することができた。また、企業活動基本調査のみを用いた実証研究の分析結果についてIndustrial and Labor Relations Review誌に共著論文を公刊した。この論文では日本円の増価が輸出企業の雇用調整をもたらすこと、そしてその調整が非正規社員に集中していることを明らかにした。 課題2のため「法人企業景気予測調査」と「法人企業統計」の統計利用申請を行い個票を借り受けることができた。また、企業予測と企業業績の関係について先行研究のレビューを行った。 課題3について個人の中での規範の可塑性と時代の変化の影響について先行研究のレビューを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要欄に記したように、令和元年度までに研究計画に従って2つの課題の分析に使用するデータ構築を行った。また先行研究のレビューを行った。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従い、令和2年度は3つの課題についてデータ分析を行う。 「課題1:為替レート変更等の外生ショックに対する雇用・賃金・労働時間調整」に関しては作成したマッチデータを用いて、為替レート変動が雇用・賃金・労働時間に与える影響に関して実証分析を進める。 「課題2:企業の業績予測と雇用調整」については企業の業績予測と実際の業績がどの程度乖離するかを明らかにしたうえで、雇用調整に与える影響として実際の業績と過去の業績予測のどちらがより大きな決定要因であるかを明らかにすることを通じて雇用調整に伴うラグを推定する。 「課題3:男女格差解消を目指した法的介入が男女差に与える影響」の分析についてはデータセットの整備を行う。
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