研究課題/領域番号 |
19H00608
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中澤 渉 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00403311)
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研究分担者 |
藤原 翔 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (60609676)
古田 和久 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (70571264)
多喜 弘文 法政大学, 社会学部, 准教授 (20634033)
吉田 崇 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (80455774)
西丸 良一 明星大学, 人文学部, 助教 (70634476)
高松 里江 立命館大学, 総合心理学部, 准教授 (20706915)
白川 俊之 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (40805313)
石田 賢示 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (60734647)
苫米地 なつ帆 大阪経済大学, 情報社会学部, 講師 (90782269)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | パネル調査 / 回収率 / 質問紙調査 / サンプルサイズ / コーホート / 母子調査 |
研究実績の概要 |
2019年度は計画通り、2012年に開始した母子調査のサンプルに対する継続調査と、サンプルの確保のための新規調査を実施した。今回はコストを削減するために、回答はウェブ上で実施した。あわせて、今後の研究に資するために、これまでのデータや関連する類似の調査データを用いて、分析、学会などで発表したり、論文などで成果を公表したりした。 具体的には、6月ころから数回、東京で研究会を開催し、質問内容の検討を行い、研究代表者の中澤および分担者の藤原で、調査会社との具体的な交渉に入った。計画の段階で少しでも多くのサンプルを確保し、より多角的な観点から分析を行うことを可能にするため、調査は母親を除外し、本人のみに実施することとした。ただし学校の卒業、就職の時期にあたり、移動の可能性が否定できないので、継続調査では前回の調査の住所に依頼を送付し、本人宛に転送してもらうようにするなど、様々な配慮を行った。そのうえで対象者への依頼状、Q&A、回答を督促する督促状などの準備を行い、9月には学内の倫理審査を受けた。 準備は11月初旬までに終了し、調査会社に依頼状を発送してもらい、12月から実査に入り、回答状況を随時チェックした。ただ回収数が想定を下回り、当初より多く督促をかけたが、それも不調に終わった。サンプルサイズとしては分析できない数ではないが、調査会社との事前の協議の数には満たなかったため、調査会社と交渉し、追加サンプルを抽出し、実査を継続した。2月末までその追加サンプルの収集に努めたが、必ずしも回収状況は好調とはいいがたく、最終サンプルは1500を若干下回る規模となった。 ただ分析には支障のない数であり、また同一出生コーホートに対して全国エリアで集めたデータはほとんど存在しないことを考慮すると、研究上の意義は大きい。また各分担者もこの間、個々にデータの分析を進めてきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述の通り、サンプルサイズには若干の不満は残ったが、ペースとしては当初通り進んでおり、研究業績も出しているので、このように評価した。なお、今年度は当初、調査を行わず、研究成果の公表に専念する予定で、そのための予算を多く確保していた。しかしCOVID19の感染拡大で、事実上海外出張が不可能となっていることから、このCOVID19の影響を簡単でも捕捉しておく意義があるのではないか、と研究会の内部で話し合い、急遽簡易的な追跡調査を行うこととした。現在パネル調査を進行している者の責務であるとも考えたためである。もしこの調査により一定のデータが集まれば、想定以上の社会的インパクトをもたらす可能性がある。なお、個々の分析も、定期的に研究会を実施しており、順調に業績をあげている。
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今後の研究の推進方策 |
上述のように、今年度はCOVID19の感染拡大という予期しない事態が発生したため、多くの学会大会が中止になったり、オンライン大会に移行した。それにより、発表に伴う旅費の執行が難しくなった。ただし研究成果の公表は(オンライン発表にとどまらず)論文や著作もあり得ることで、それは特に支障ないことから、今年度も計画通り進める。一方で、旅費として執行できなくなった費用については、新たにCOVID19のもたらした影響を把握するための簡易調査の実査に使うこととしたい。なお、本計画4年目の2022年度も、今年度同様に実査は行わず、研究成果の公表を活動の中心に据えているが、同様のアクシデントが起こる可能性があることを念頭に、計画の急な変更に対応できるようにしておきたい。
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