研究課題
基盤研究(A)
本研究は、集団間競合と集団内協力というヒトの両極的な性質の進化的起源について、比較認知科学の視点から解明を試みる研究である。進化の隣人であるチンパンジーとボノボ、家畜化を経た伴侶動物であるイヌとウマを対象に、自然集団の観察および飼育下での認知実験を組み合わせることで、多層的な視点から集団間競合と集団内協力の進化について明らかにする。2個体間の関係ではなく集団を対象とした協力行動の比較認知科学的研究は世界的に見ても斬新である。また、それを実現するための4(チンパンジー/ボノボ/ウマ/イヌ)×2(自然集団の観察/飼育下実験)の研究パラダイムも、複層的な視点での比較を可能にする独創的かつ有効性の高い手法である。研究準備状況も良好であり、国際的にインパクトのある成果を期待できる。