今後の研究の推進方策 |
シンボリック冪とシチジー理論に興味を持つ研究者のグループのオンラインの研究打ち合わせなどを企画し、下記の実施計画に沿い、シンボリック冪とシチジー理論の研究を発展させる。 (シンボリック冪)有理数 0 < s < t を固定し、3点 (0,0), (1,0), (s,t) を頂点とする有理三角形に付随するエルハールト環を考える。同じ次数の単項式の差で生成された素イデアルに関するシンボリック・リース環を考える。有理三角形によって射影的トーリック曲面が決まるが 、そのトーラス内の一点でのブローアップ Y の Cox 環 Cox(Y) を考える。このとき、シンボリック・リース環と Cox 環は、ほぼ一致する。 ブローアップ Y 内の自己交点数が負の曲線の存在は、 Cox(Y) の有限生成性に深く関係する。そのような曲線は、存在すれば一意的である。 自己交点数負の曲線が存在しない例が発見できれば、永田予想などの未解決問題が従う。どのような (s,t) に対して、 どのような自己交点数負の曲線が存在するのかを明らかにする。 (シチジー理論)有限単純グラフの edge ideal の Betti テーブルのサイズの理論を発展させる。有限単純グラフ G の edge ideal I(G) の Betti テーブルのサイズとは、 正の整数の対 (proj-dim(S/I(G)), reg(S/I(G))) のことである。但し、S は多項式環である。頂点の個数 n を固定し、G を n 個の頂点を持つ有限単純連結グラフの全体を動かすとき、 (proj-dim(S/I(G)), reg(S/I(G) )) の存在範囲を決定する。
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