トポロジカル端状態における量子コヒーレンスを調べるために、端構造を有限構造に閉じ込めた系を提案している。半導体超格子のInAs/GaSb接合系のスピン軌道結合系や量子ホール端状態に対する非断熱過程を用いた制御、さらにトポロジカル絶縁体(TI)量子ドットのサイズと複数の量子ドットの組み合わせを変えて端状態の変化を追跡するという、新しい手法を提案している。 量子ホール端状態だけがよいコヒーレンスを持つという見方から、トポロジカル物性研究を仕切り直そうという立場は極めて独創的である。実績のあるスピン軌道結合系などについて、ユニークな実験手法を提案している。さらに、量子ポイントコンタクト、グラフェン上に分散したBi2Te3を用いた制御性の高いトポロジカル構造の提案もよく練られており、実現性が高く、波及効果も大きい。
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