研究課題/領域番号 |
19H00683
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
榎戸 輝揚 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 理研白眉研究チームリーダー (20748123)
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研究分担者 |
鴨川 仁 静岡県立大学, その他部局等, 特任准教授 (00329111)
森本 健志 近畿大学, 理工学部, 教授 (60403169)
小野 英理 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教 (80827460)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高エネルギー大気物理学 / 雷放電 / 光核反応 / 雷雲ガンマ線 / シチズンサイエンス / 放射線計測 / オープンサイエンス / 中性子 |
研究実績の概要 |
本研究では、日本海沿岸の冬季雷雲から発生するガンマ線や、冬季雷に伴って生じる光核反応に由来する各種の放射線を観測する、多地点マッピング観測網を構築し、雷での光核反応に代表される高エネルギー大気物理現象を明らかにすることを目指している。 2021年度には、シチズンサイエンスの枠組みを使って、市民サポーターが庭先に設置してガンマ線を検出できる操作の簡単な放射線測定器コガモ(Commpact Gamma-ray Monitor, Cogamo) を用いた観測が本格化し、金沢市を周辺に50箇所以上の設置を郵送をベースに設置を依頼し、観測を開始できた。放射線の測定データの一部は、IoT モジュールによりサーバーへ送信し、サーバー上でリアルタイムに雷雲からのガンマ線を探索し、有意に放射線量が増大した場合には、ツイッターを通して自動アラートを発出するシステムまで構築できた。この本格的なシチズンサイエンスでの多地点観測システムにより、2021年度の冬季に複数の雷雲からのガンマ線放射の観測に成功し、その中のいくつかでは雷雲を出している雲の光学撮影や、雷放電に同期した雷雲ガンマ線の途絶、また雷雲からのガンマ線放射領域の近傍からの雷放電の開始などを捉えることができた。これらは今後、解析を進めて論文化を目指す。 現時点では光核反応に由来する放射線データをコガモでは測定はできていないため、検出器の高精度化(時間分解能や精度の検証・改善、高エネルギー側のエネルギー較正、バックグラウンド除去能力の向上など)を目指した改良をすすめる。また、これまでのガンマ線観測と(一部、電波観測も含む)を組み合わせた論文を2021年度には4本出版することができ、コガモの観測網も学生の卒業論文にまとめることができた。以上の成果により、2022年度からの新たな科研費・基盤研究Aにつなげることができた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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