研究課題/領域番号 |
19H00688
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
伏見 賢一 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (90274191)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 宇宙暗黒物質 / シンチレーター結晶 / 化学分離 / 放射線計測 |
研究成果の概要 |
宇宙暗黒物質を探索するために、高純度のNaI(Tl)検出器を開発した。当初の計画では質量約6 kgの大型結晶を複数個製造して測定感度を向上させる予定であった。研究計画を推進する中で、結晶の更なる高純度化が必要となったため、方針を変更して高純度化を推進することとなった。 NaI(Tl)結晶の高純度化のために原料の純化行程を詳細に検討し、再結晶化による放射性カリウムの除去と、イオン交換樹脂による放射性鉛の除去を組み合わせたハイブリッド型純化方法を開発した。その結果、鉛210などの純度について目標を達成し、将来の大型化による高感度化への道筋を切り開くことに成功した。
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自由記述の分野 |
素粒子・宇宙線・原子核の実験
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宇宙暗黒物質探索実験は、宇宙物理学、素粒子物理学の最重要課題の一つである。様々なモデルによって提案されている宇宙暗黒物質の候補を探索する実験は、高感度の放射線検出器を応用して実行されているが、確定的な信号は未だに捉えられていない。 本研究ではタリウム添加ヨウ化ナトリウム結晶(NaI(Tl)と略記する)を用いた宇宙暗黒物質探索の感度を向上させるために結晶の純化に取り組んだ。その結果世界で最も高純度な結晶を製造することに成功した。この成果を応用することで世界の宇宙暗黒物質探索実験のみならず、重ベータ崩壊探索実験など極高感度の実験に対する感度を飛躍的に向上させることができる。
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