研究課題
基盤研究(A)
現在、中性子の寿命測定は「ビーム法」と「貯蔵法」による結果が互いに食い違っており、ビーム法による高精度測定が望まれている。本計画は、これまでに行われたJ-PARCでの予備実験の測定精度を10分の1にまで高めるのを目標とし、中性子強度増強、中性子シャッターの素材変更、β崩壊電子の検出効率を正確に評価するための補助実験などを行う。中性子の寿命という基本的な物理量の測定が未だに確立していないことは大きな問題である。本研究により、ビーム法による精度が貯蔵法に近づくことになり、その結果従来の矛盾が解消されればよし、逆に矛盾が深まることになれば、従来の理解に問題があることが示唆され、いずれの結果が出ても興味深い。