テラヘルツ帯(1-3 THz)は星間物質の主要なスペクトル線を多く含む重要な帯域であるが、観測は容易でない。本研究は超伝導SIS素子に対して原子レベルでの物性を制御し、これまで不可能と思われてきた1 THzを超えて2.4 THzまで動作可能なSIS検出素子を製作する。地上で唯一、THz帯の観測可能な南極での運用を想定し、そのSIS素子を搭載した分光観測用高感度ヘテロダイン冷却受信機を開発する。 従来のテラヘルツ受信機の周波数の壁を超える基礎技術として、SIS検出素子の作成に関して新たなアイデアを導入した受信機の開発に成功すれば、南極望遠鏡などによる将来のテラヘルツ天文学を支える技術的基盤が得られると期待される。
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