本研究は、地震波観測から地下のマグマの状態を推定したり、地下のマグマが今後どのような噴火を起こし得るのかを推定するために必要な基礎データを室内実験により取得する。室内実験では、気泡を含むマグマの弾性定数と減衰率、それに高温・高圧下のマグマを用いた浸透率と破砕現象などを調べることを予定している。 本研究の学術的価値は、熔融マグマの粘弾性測定を行い、気泡を含むマグマの弾性定数と減衰をマグマ中の気泡量と温度の関数として整理することで、地震波観測から地下のマグマの状態を推定する方法を提案する点にある。特にこの実験では、1200度まで高温に加熱したマグマの粘弾性と1000度までの弾性的性質が明らかになることが期待される。
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