研究分担者 |
玄田 英典 東京工業大学, 地球生命研究所, 教授 (90456260)
新原 隆史 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (20733679)
鹿山 雅裕 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (30634068)
小池 みずほ 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (60836154)
三河内 岳 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (30272462)
佐野 有司 高知大学, 海洋コア総合研究センター, 特任教授 (50162524)
松井 孝典 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 所長 (80114643)
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研究実績の概要 |
本研究の要である3次元衝撃回収実験手法を地球上で手に入る岩石, 炭酸塩岩(大理石), 玄武岩, 花崗岩に適用してきた(黒澤, 新原, 松井, 博士研究員). 数値衝突計算と組み合わせた複合的な分析及び解析手順も確立することができた(黒澤, 玄田, 新原, 三河内, 鹿山, 小池, 佐野, 松井, 博士研究員). 成果はそれぞれ国際誌に掲載済み(2報, Kurosawa et al., 2022; Ono et al, 2023), 投稿済み(1報), 投稿準備中(1報)である. 大きな成果としては(1)炭酸塩岩についての新たな衝撃変成指標を確立したこと, (2)玄武岩, 花崗岩ではこれまでの想定よりも低い衝撃圧力で衝撃熔融組織が発達すること, (3)それが局所的な剪断応力集中で発生している可能性が高いこと, が明らかとなった. また昨年度の破損トラブルを解決し, 事前加熱した試料の衝撃回収も安定的に実施できるようになった. 本研究費で購入し, 我々自身で分類を行ったH chondrite (NWA13458)(新原, 三河内, 博士研究員)について系統的に初期温度を変化させた実験を実施した(黒澤, 松井, 博士研究員). 現在組織観察中である. また本研究で開発し論文として報告した回収実験手法について海外の研究者から2件の問い合わせがあり, それぞれ新たな共同研究を始めることとなった. 黒澤, 玄田, 三河内ははやぶさ2が回収したリュウグウ試料の初期分析チームに加わり, 成果創出に携わった[Nakamura et al., 2022]. 実測されたリュウグウ試料の物性値を元に炭素質小惑星用の数値衝突モデルを構築した. 強い衝撃を経験した組織は今の所ほとんどみつかっていないが, 数値計算と組み合わせることでリュウグウの元になった岩体が母天体のどこにあったのか?を制約した.
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