研究分担者 |
柿沼 康弘 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (70407146)
小池 綾 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (70781417)
河野 大輔 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80576504)
福井 類 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (80607416)
吉岡 勇人 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90361758)
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研究実績の概要 |
マシニングセンタを代表とする工作機械は,工具の位置・姿勢を精密に操作し加工対象物(ワーク)に機械加工を施すことが要求される.その切削加工は精度の高い形状が得られる一方でワークを除去して成形する加工であり,材料のムダやエネルギー消費を考慮しなければならない.近年は,塑性加工や付加加工でニアネットシェイプを成形し,仕上げに切削加工を行う方向に進んでいる.特に大型のワークにおいて,効率的な加工方法が求められている.このような背景から,本研究では生産ラインをダイナミックに変更可能な工作機械および生産システムの可能性を探求してきた. 基礎学理として,革新的工作機械を実現するための, 新たな設計指針を構築している. 工作機械の全体, 各要素, 各部品にどの程度の仕様が必要なのかを工具, 被削材, 制御技術を考慮に入れて根本から検討し, 設計指針を構築する. 従来の研究では, 個別の要素に関する性能向上が多く, 要素相互のバランスを考えた研究はない. そこで,加工性能から系統的にバランスのとれた仕様とする. また, 変動するプロセスの安定稼働方法を提案し, 加工理論 やプロセス制御に基づいたアルゴリズムを世界に先駆けて開発している. これを応用することでプロセスが常に変動してしまう場合や, 従来の方法ではテストデータが十分でない場合でも, 加工プロセスを安定して稼働させることが可能となる. 具体的には, 切りくず状態の認識による連続運転,段取り時における工具や工作物の自動認識に基づく加工状態の判定方法を構築する.
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