研究課題
本研究では、ウォルターミラーを高精度化するとともに、高精度ウォルターミラーによる革新的なX線光学システムを開発する。具体的には波長1～10 nmの領域において、「シングルショットフェムト秒X線イメージングシステム」をX線自由電子レーザー施設SACLAに構築することが目的である。最終年度は下記の項目の研究を行った。1.ウォルターミラー作製におけるマンドレルの高精度化と転写精度の向上：OAM法の導入によるマンドレルの高精度化を行った。新しくマンドレル加工装置を設計開発した。また、Ni電鋳の高精度化を図るとともに、銅電鋳法を試みた。電析条件の再検討により転写精度を向上させた。2. 内面形状測定の確立：ミラー内面の形状計測を設計光学系において実施するために、SPring-8においてウォルターミラー用の波面計測光学系を構築した。3.ウォルターミラー内面の形状修正法の開発：ミラー内面において有機粒子のジェット噴射加工により内面の形状誤差を修正できることを確認した。ミラー内面の高精度化を行い、SPring-8におけるタイコグラフィ計測により内面形状の変化を定量的に評価した。4. 顕微ビームラインの光学設計：2021年度に構築したウォルターミラーによるXFELによる顕微イメージングを実施した。また、2波長での同時X線イメージングにより細胞観察を実施した。形状誤差が改善されたマンドレルを用いて作製されたウォルターミラーにより、X線イメージ像が大幅に改善されたことを確認した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
Review of Scientific Instruments
巻: 94 ページ: 015106-1-7
10.1063/5.0125242
巻: 93 ページ: 063101-1-9
10.1063/5.0087171
