研究課題/領域番号 |
19H00738
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
進士 忠彦 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (60272720)
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研究分担者 |
中野 正基 長崎大学, 工学研究科, 教授 (20274623)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 磁石 / NdFeB / FePt / MEMS / 着磁 / アクチュエータ |
研究実績の概要 |
MEMSデバイスにおいて,微小アクチュエータやセンサで一般に使われるネオジム磁石の活用が不十分である.申請者らは,その理由として,1)厚さ数十~数百μm の高性能ネオジム磁石を製造する技術が十分開発されていない,2)1)の厚みの磁石を,反磁界の影響を低減した形に,微細加工,微細着磁する技術が未開発である,3)サブミリサイズの磁石を用いたデバイスの応用先の探索とそのデバイスの設計・製造法の検討が十分に行われていないためであると考えている.
本研究では,スマートフォンカメラ用マイクロアクチュエータ,IoTや体内植え込みデバイス用エナジーハーベスターなどを開発対象に,厚膜磁石を活用したMEMSデバイスの設計,磁石成膜・加工・着磁,製造技術を総合的に検討している.
2022年度は,昨年度のSmCo磁石に加え,高温時の保磁力が高いNdFeB磁石にレーザアシスト着磁した磁気パターンをマスターとして,高温環境中で,ターゲットのネオジム磁石に磁気パターンを転写する実験を,バルクのネオジム磁石やPLD磁石に対して行い,その実験結果と理想値を比較することから,着磁パターン転写モデルの構築を進めている.また,デバイス製作に関しては,マイクロコイルも重要であり,フレキシブルな導電性コイルをPDMS樹脂にプリントする技術や,永久磁石としても構造材料とも優れるFePt厚膜をマイクロデバイスの組み込む新たな試みも始めた.また,マイクロモータの研究に関しては,企業等から応用先の提案があり,それの基づいた基礎検討も始めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定していた研究項目の順調な研究成果が得られているとともに,当初予定していなかった,柔軟性のあるコイルやFePtなどの柔軟性と強度の両方が得られる永久磁石材料にも,研究が展開できている.
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今後の研究の推進方策 |
本研究支援のおかげで,企業からも本技術の問い合わせがあり,実際の製品への組み込みの問い合わせが始まった.本年度は最終年度であり,実施した研究成果を漏れなく論文誌に投稿するなどの活動に注力するとともに,本技術の製品への実装などの観点でも,企業のニューズをくみ取り,研究さらなる展開方向を検討したい.
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