本研究は、低温の液体ヘリウムで観察される量子乱流を研究対象として、微細な固体水素をトレーサーとした量子渦の可視化やラグランジュ軌道の三次元空間計測、Heエキシマを利用した速度計測法の開発などにより、量子乱流の統計的性質と渦構造の関係の解明や非一様な壁乱流場における対数則の検証を行うことを研究目的としている。 本研究を通じて、初期条件や境界条件を制御した流動場において量子渦の自己組織化と集団運動を直接的に可視化して観察できるようになることから、その統計的性質と渦構造の関係が明らかになり、量子乱流場の普遍性の理解や古典乱流場との共通点に関する理解の深化、さらに高Re数の複雑な乱流現象の普遍的な理解へと繋がることが期待できる。
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