研究課題/領域番号 |
19H00757
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中野 義昭 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50183885)
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研究分担者 |
種村 拓夫 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (90447425)
杉山 正和 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90323534)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 光センシング / InGaAsP / GaAs / イメージング / 高速 |
研究実績の概要 |
本研究では,LIDAR(ライダー)や医療診断デバイスの小型化と高速化に向けて,半導体チップ上にモノリシックに集積した近赤外センシング用光集積回路を創製することを目的として,その基盤技術を開拓する.代表者らがこれまでに培った光通信波長帯(1.55μm) 光集積回路技術を短波長帯に拡張し,GaAs基板上の歪み補償InGaAsP系量子井戸によって0.9~1.1μmの波長域(1.0μm帯)を広くカバーすることで,受光感度と空間分解能の向上を図る.その上で,100個以上の光位相制御器と光増幅器を高密度にモノリシック集積した半導体チップを試作・実証する.これにより,既存手法に比べて5桁以上高速で,小型かつ安価なビームスキャニング/イメージングデバイス実現への道を拓き,近赤外センシング分野に革新をもたらさんとするものである. 2020年度は,2019年度に引き続き(1) 1.0 μm帯において高い利得を持つAlフリー量子井戸半導体光増幅器(SOA)の設計と利得特性シミュレーションを行うとともに,新たに(2) 光集積フェーズドアレイを用いた単一ピクセルイメージング技術の開発,(3) 単一ピクセルイメージングに適した高効率駆動型光集積フェーズドアレイ素子の解析と設計,(4) 多モードファイバと光フェーズドアレイを用いた単一ピクセルイメージングの分解能限界の解明,(5) 1.0μm帯イメージングに向けたGaAs/InGaP光集積フェーズドアレイ素子の設計と特性解析,試作を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初2020年9月までに,1μm帯高効率光位相制御器の設計試作,1μm帯光増幅器集積プロセス技術の開発を行い,2021年3月までに,中規模光ICの作製・実証,光増幅器モノリシック集積技術の確立,成果の取りまとめを行う予定であった.ところが新型コロナウィルス感染症の拡大により,一時期大学での実験遂行が困難になり,中規模光ICの作製・実証,光増幅器モノリシック集積技術の確立を2021年4月以降に延期せざるを得なくなった.そのため,2020年度経費の半年間の繰越を行って研究を遂行した.
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今後の研究の推進方策 |
2020年度の当初の計画については,幸い半年間の繰越研究を行うことで完遂することができ,かつ2021年度の研究計画についても年度初めから実施することができたため,今後の研究は,当初計画の通りに順調に推移すると考えられる.
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