「広帯域ハイブリッド変調器の作製」では、これまでにハイブリッド型変調器に進行波型電極を適応することで高周波応答性を高めてきた。特に高周波伝搬損失の低い電極の形成は、周波数応答性の拡大には重要であった。これまでにシンボルレートが100Gbaudの信号生成を実現し、200Gbit/sの信号伝送を実証することができた。本年度は、このような高速伝送の定量的な解析として信号誤り率の計測を行い、デジタル信号処理による信号精度の向上と伝送特性の評価を行った。データセンター応用を想定した光ファイバー伝送の条件下で、エラーフリーの信号精度を確認し、さらにポリマー変調器に110℃までの温度負荷をかけても信号精度の劣化が生じないことを確認した。 「高速光伝送の実証実験」では、周波数帯域が70GHzのハイブリッド型変調器を用いて、高速データレートの信号伝送実験を行った。変調器から生成された信号の精度は、データ誤り率を解析することで評価した。その方法としてはデジタルコミュニケーションアナライザから得られるアイパターン精度とリアルタイムスコープを用いたエラーカウントから解析を行った。100Gbaudを超える信号伝送では送信側と受信側でともに適切なで自タスシグナルプロセスが不可欠となる。これらの信号処理方法も検討しながら信号伝送の高精度化の検討を行い、信号エラー閾値で定義されるエラーカウントで信号生成されていることが確認できた。さらに多値変調様式を使って最高で200Gbit/sの信号生成も確認した。 最終的に本研究の目標となる高速光変調デバイスを作製し、高効率な光変調性能を実証することができた。
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