研究課題/領域番号 |
19H00771
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
小田部 荘司 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (30231236)
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研究分担者 |
倪 宝栄 福岡工業大学, 工学部, 教授 (10248536)
木内 勝 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (90304758)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 超電導 / 縦磁界効果 / 電力ケーブル |
研究実績の概要 |
2020年度にロシアのAll-Russian Scientific Research and Development Cable Instituteと共同で作成した縦磁界効果を利用した小型超伝導電力ケーブルについて交流通電を行なって、交流損失測定を行なった。そしてその結果を従来の超伝導電力ケーブルの交流損失測定の結果と比較した。その結果、縦磁界ケーブルでは従来ケーブルに比べて2倍程度、交流損失が大きいことが分かった。これは、超伝導テープの巻き方が交流損失を最低にするように巻かれておらず、臨界電流を高くするように巻いてあるためである。この結果については2021年にロシアが幹事国をしてオンラインで行なわれたThe 15th European Conference on Applied Superconductivity (EUCAS 2021)国際会議において口頭発表を行なった。この発表では、巻き方を変えるだけで臨界電流を増加させることができることについて、他の研究者から興味を持ってもらえ、いい議論をすることができた。 この縦磁界ケーブルの結果については理論で説明することは、構造の複雑さから困難である。したがって、有限要素法を用いた計算シミュレーションにより数値的に説明することが考えられる。現在の計算機の性能であれば、ケーブル全体をモデル化しても交流損失を計算することは可能であると考えられる。 このような数値計算により実験結果を説明することができれば、交流損失と臨界電流を最適にする巻き方を検討することができ、設計することができるようになる。その結果、従来よりも性能のいい超伝導電力ケーブルを提案することができるようになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画では直流のみについて研究することとしていたが、交流通電した際の交流損失の測定をすることができ、その結果について考察することができた。この点ではかなり進展があった。一方で、コロナ禍もあって海外にでることができず、共同研究先と密な研究をすることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
交流損失測定が完了したので、これを有限要素法を用いた数値シミュレーションにより説明することができるかを明らかにしたい。これにより同じ超伝導テープを使っても、巻き方を変えるだけで臨界電流と交流損失を最適化することができるようになる。
超伝導テープ線材の性能は着実に向上しており、研究開始した時点よりも臨界電流密度が高い材料を手に入れることができるようになっている。したがって、2019年に試作したケーブルよりも高い縦磁界効果を得て性能のいい縦磁界ケーブルを実現することができる可能性がる。これについても検討していきたい。
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