研究課題/領域番号 |
19H00780
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
菊本 統 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (90508342)
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研究分担者 |
肥後 陽介 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (10444449)
松村 聡 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 主任研究官 (20748305)
海野 寿康 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 准教授 (50570412)
京川 裕之 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (60799865)
橋本 涼太 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (60805349)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | X線撮影 / 間隙率 / 含水比 / Lambert-Beerの法則 / 土構造物 / 最適含水比 / 締固めエネルギー / 構成関係 |
研究実績の概要 |
本研究で開発を目指す土構造物の統合的な安定性評価技術は、土構造物(盛土や河川堤防、アースフィルダム)の築造過程から長期供用による風化・劣化過程、降雨や地震による変形・破壊挙動まで一貫して再現する手法の開発を目的としている。3年目は、盛土の築造過程から長期供用時の風化劣化、その後の変形・破壊まで一貫して再現できる統合的な解析技術の開発と高度化を目的として検討を継続した。 まず、締固め土の変形・破壊特性については、不飽和土の構成則を用いて含水比や締固めエネルギーを変化させてパラメトリックスタディを行い、締固め後の浸水およびせん断による変形・破壊に対する締固め含水比や締固めエネルギーの影響を調査した。また、前年度に改良を終えた不飽和土の構成則については、定式化や検証および計算結果を公表するためにとりまとめを行った。また、初期値境界値問題の実施に向けて汎用FEMコードへの構成則の導入を進め、変形解析に限定された条件では風化・劣化現象を考慮した構成則の導入を終えることができた。 脆弱岩破砕土の浸水・膨潤・破壊メカニズムに関する検討では、泥岩試料の観察を行う際に必要になるX線画像の解析技術の高度化を進めた。土骨格が変形する条件では間隙率分布の変化を連続的に計測する技術が確立されたが、含水比が同時に変化する場合は計測が難しくなることが判明したため、間隙率と含水比が同時に変化する条件でも計測を実施できるように理論を高度化させた。理論的な妥当性の検証までは行うことができたため、次年度は実証実験を行う計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析手法の開発やプログラムの整備、シミュレーションの実施は順調に進んでいる。X線撮影による脆弱岩内部の観察技術については、間隙率と含水比を同時に計測する技術の開発を進めた。間隙率と含水比のどちらか一つが変化する条件では高精度、高速に分布を計測する技術が確立され、次年度は両者を同時に計測する手法の確立を試みる予定である。以上のことから全体としては順調に進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに開発した構成則は検証や成果発表を進めるとともに、汎用解析コードへの導入を進める計画である。汎用解析コードとしては、動的・静的解析および連成解析に対応できる商用の汎用FEMコードと、大変形まで追従できるオープンソースの解析コードへの導入を進める。 X線撮影による含水比と間隙率の分布の計測技術については検証実験を行いながら手法の改良と高度化を進める予定である。手法が確立されたら様々な現象に応用を進める計画である。
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