研究課題/領域番号 |
19H00789
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
河野 進 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (30283493)
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研究分担者 |
西村 康志郎 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (00343161)
岸田 慎司 芝浦工業大学, 建築学部, 教授 (10322348)
Wijeyewick remaA 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (10323776)
渡邊 秀和 国立研究開発法人建築研究所, 構造研究グループ, 主任研究員 (20620636)
田村 修次 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (40313837)
谷 昌典 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50533973)
金子 治 広島工業大学, 工学部, 教授 (80824135)
小原 拓 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (50845451)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 杭 / 杭頭接合部 / 2次設計 / 耐震安全性 / 継続使用性 / 終局時挙動 / 曲げ靭性能 / 軸力 |
研究実績の概要 |
杭体と杭頭接合部について,継続使用性に関わる性能および終局時構造性能の解明を目的にして研究を進めた. 【既製コンクリート杭および場所打ちコンクリート杭の構造性能解明に関する技術開発について】 鋼管コンクリート杭の曲げ靭性能を評価するため,SC杭12体の一軸圧縮試験を行い,鋼管とコンクリートの厚みが,それぞれの材料の圧縮特性に与える影響を実験的に明らかにした.また,軸力がせん断性能に与える影響を明らかにすることを目的として,SC杭及び耐震杭6体の逆対称曲げせん断載荷実験を行い,せん断耐力についての知見を得た.また,軸力を受けるSC杭の曲げ載荷実験81体の曲げ耐力について,RC基礎部材指針,CFT指針,Eurocode 4,AISCの4つの指針の予測式との比較検討を行った.さらに,軸力を受けるPRC杭の曲げ性能を調べるため,本研究グループが過去に行った実験データをまとめ,複数の汎用有限要素法プログラムを用いて行った曲げ解析結果との比較を行った. 【杭頭接合部の構造性能解明に関する技術開発】 杭頭の根入れ長さが1D(D:杭径)よりも短い場合の杭頭接合面における荷重伝達機構と終局まげ耐力の評価を目的として載荷実験を行った.RC基礎部材指針の方法は抵抗機構が明確であるが,軸力の影響を受ける実験結果をうまく説明できず,パイルキャップコンクリートの支圧効果を考慮してコンクリートの応力‐ひずみ曲線を補正するなどの方法を改善する必要があることが分かった.また,支圧抵抗の評価は杭頭接合面断面解析において,圧縮強度増大係数(φc=2.0)もしくは仮想鉄筋コンクリート断面(杭径+200mm)で評価することが一般的であるが,その抵抗機構を明確化するためパイルキャップ試験体の偏心支圧試験を行い,偏心量や支圧面積の影響を定性的に明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ計画通りの進捗状況であり,設定した初年度課題の9割近くを達成した. 【既製コンクリート杭および場所打ちコンクリート杭の構造性能解明に関する技術開発について】 予定していた杭体の実験プログラムを全て実施した.また,SC杭や耐震杭に代表される既製杭の曲げおよびせん断性能の評価手法をおおよそ確立し,曲げモーメントと曲率(または回転角)の関係を数値解析でモデル化できることを確認した. 【杭頭接合部の構造性能解明に関する技術開発】 杭頭部の応力を基礎梁に伝達する応力伝達機構と高軸力時の軸力変動による影響を明らかにする目的で,杭頭接合面の曲げ抵抗機構および支圧機構解明の実験を実施した.得られた実験データは,第2年度と3年度に行う数値解析モデル構築プロセスで重要な役割を果たすものであり,初年度の目標をここでも達成できた.
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今後の研究の推進方策 |
今後も,杭体と杭頭接合部について,継続使用性に関わる性能および終局時構造性能の解明を目的にして研究を進める. 【既製コンクリート杭および場所打ちコンクリート杭の構造性能解明に関する技術開発について】 鋼管コンクリート杭の曲げ性能を高精度に予測できる数値モデルを構築するために必要なコンクリートおよび鋼管の応力-ひずみ関係モデルを,初年度の実験結果を基にして構築する.コンクリートに関しては中空の影響,鋼管の影響,壁厚みの影響で拘束程度がどのように変化するかをモデル化する.鋼管に関しては,内部コンクリートの影響を受けて座屈がどの程度遅延するかをモデル化する.また,初年度に不十分であった実験データを補完するため,一軸圧縮追加試験をSC杭と耐震杭に対して行う. 【杭頭接合部の構造性能解明に関する技術開発】 杭頭接合部における曲げ抵抗機構の解明に関しては,初年度に行った実験結果を有限要素プログラムを用いて再現し,全体指標である荷重回転角関係をはじめ,局所の損傷状況をしめすコンクリートや定着筋のひずみ推移を模擬できるようなモデル化を進める.最終的には,パイルキャップにおける曲げ抵抗機構の解明とモデル化を図る.
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