地震による経済的損失を抑え早期復興するために、震災後も木質住宅の継続使用の可能性を確保できる木質制振住宅の設計方法を、エネルギー吸収デバイスを木造住宅に適用するための汎用設計法として提案する研究である。構造体だけでなく、仕上げ材などの非構造体の損傷の影響にも着目し、地震による構造体・非構造体に生じる損傷の多寡と性能劣化・修復費用の関係をも明らかにする。 実験による性能劣化の評価、損傷のデータベース化と修復費用の検討、そして新たな設計法の提案と、実用を念頭に置いた社会的にも意義のある研究であり、制振技術の健全な普及に貢献することが期待される。本研究によって統一的な設計規準や指針が作成できれば、制振木造住宅の普及は加速すると思われる。
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