研究課題
昨年度得られた実験結果の解析を進めるとともにeHMIに必要とされる要素を明らかにする実験を行った。高齢者の歩行実験結果の解析、構築したバーチャル空間において現実味の高い歩行行動が観察できることが確認できた。また、歩行者が自動運転車両にごく接近した状態で歩行することに対して危険をあまり感じない傾向があることを示す結果が得られている。これらの結果は車両側からリスクにかかわる情報(車両がどこへ向かうか、あとどれくらいで到達するかなど)を伝える必要があることを示唆するものといえる。この結果も参考にeHMIの改良をおこなった。具体的には車両の存在予想領域およびそこへの到達猶予時間をハンドルの舵角とアクセルペダルの情報に基づいて予測し、予測軌跡を2本の曲線で、到達猶予時間に基づいて安全、警告、危険領域の3つに分けて描画することとした。さらに歩車混在空間に多数の通行者や車両が存在した場合、地面に書かれた映像が隠れて見えないことも予想される。そのため、予測領域をトンネルのような形状で描画することで出来るだけ車両との対応関係に気付きやすい外向けHMIを考案した。歩行者空間としてLargeSpaceを用い、車両空間としてゴルフカーを接続した実験環境を構築し、通行実験を実施した。これにより、提案する外向けHMIによってより早く車の接近に気がつくことが可能で、その分回避行動をスムーズに行うことが出来ることが示唆された。車両の外向けHMIとしては三次元コンピュータグラフィックスによる、車両の予測軌跡とその猶予時間を提示することの有用性が明らかとなった。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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情報処理学会論文誌
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10.11225/cs.2021.041