研究課題
磁性材料は磁気メモリやハードディスクなどの情報機器からモーターなどの輸送機器等広く利用されている。磁性材料の機能を制御する基盤技術は、磁性材料の磁化(N極‐S極)の向きをどのように制御するかにある。特に、その速度は重要な機能となっている。従来の磁性材料は、永久磁石など有限の磁化が生成する材料であるが、これらの材料と比較して、有限の磁化を示さない反強磁性体と呼ばれる材料は、前者の強磁性体と比較して数桁高速な駆動が可能とされているが、その制御方法については確立されていない。本研究では、電気磁気効果と呼ばれる磁化と電界の相互作用を用いることで、反強磁性体のスピン(原子レベルの磁化)、特に、その動的な挙動に起因する諸物性の開拓と制御を目指している。2021年度の主な成果は、(1) 電気磁気効果を駆動力とする磁化の反転を、ナノ秒領域の高速反転出来ることを見出し、また、その駆動エネルギーが通常の磁場を用いた場合と比較して、数桁低エネルギー化できることを示した(Applied Physics Letters掲載済み)(2) 更なる低エネルギー化を目指して、磁化反転の障壁となっていた交換結合に寄与する部分を除去することで、更なる低エネルギー化が可能であることを見出した。(2022年1月、国際会議発表済み。論文投稿準備中)(3) さらに、(2)で達成した低エネルギー構造に対して、電界による磁化制御が可能であることも見出している。(論文投稿準備中)以上の結果については、各種学術論文誌とともに、国内外での学術講演会・研究会などで報告しており、今後も積極的な発信を進める。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 6件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
AIP Advances
巻: 12 ページ: 035216~035216
10.1063/9.0000253
Applied Physics Letters
巻: 120 ページ: 092404~092404
10.1063/5.0083202
IEEE Transactions on Magnetics
巻: 58 ページ: in press
10.1109/TMAG.2022.3145521
NPG Asia Materials
巻: 14 ページ: accepted
Journal of Applied Physics
巻: 130 ページ: 193902~193902
10.1063/5.0060606
http://www.mat.eng.osaka-u.ac.jp/mse2/index.html?20220412