研究課題
本研究では、ポリマー材料の中でも高耐熱性かつ高強度であるスーパーエンジニアリングプラスチックに着目し、エレクトロスピニング(ES)法によるナノファイバーの作製およびナノファイバー強化複合材料の作製に向けた基盤研究を実施している。具体的な研究内容は、耐熱温度が高く、ナノファイバー径が小さく、弾性率が高いスーパーエンプラナノファイバー(SEnF)を作製することである。また、SEnFのナノ複合材料強化材としての機能性評価をするため、SEnFを強化材に用いて、SEnF強化複合材料を作製することである。当該年度では、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)(融点:388°C、弾性率:4.2 GPa)に着目し、ES法によるナノファイバー化を試みた。具体的には、ペンタフルオロフェノール(PFP)を溶媒に用いて、PEKEKK溶液を作製し、ES法によるナノファイバー化を実施した。結果として、溶液濃度12wt%において、平均直径で約240 nmのPEKEKKナノファイバー(PEKEKKnF)が得られた。熱物性評価では、PEKEKKnFの熱重量減少温度が約575℃に達することが確認された。さらに、昨年度までの研究成果で作られたポリエーテルエーテルケトンナノファイバー(PEEKnF)とポリエーテルケトンナノファイバー(PEKnF)に着目し、ナノファイバー強化複合材料の作製を試みた。まずはポリメタクリル酸メチル(PMMA)を母材に、PEEKnFを強化材に用いたPEEKnF/PMMA複合材料作製を試みた。つぎにポリスチレン(PS)を母材に、PEKnF強化材によりPEKnF/PS複合材料を選定した。結果として、SEnFの表面改質により、PEEKnF/PMMA複合材料の弾性率が最大22%向上(PMMAとの比較),PEKnF/PS複合材料の弾性率が最大26%向上(PS比)することが確認された。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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