研究課題
基盤研究(A)
本研究では、二次元層状物質CaSi2を模倣したSi/SiGe系二次元シートを含有する新規Ca/SiGe系人工層状超格子を創造し、二次元的に広がった超高移動度ディラック電子状態と空間局在した界面フォノンモードによる極小フォノン平均自由行程状態とを同時に実現し、電気導電率増強・セーベック係数増強・熱伝導率減少を達成する新しいナノ構造材料設計の実証を目的としている。優れた性能を持つ熱電材料の材料設計に関する研究は、基礎・応用の両面から非常に重要である。本研究の独創性は、CaSi層状構造を模倣したCa-SiGe超格子構造とシリセンのディラック電子状態を融合することにより、大きな熱起電力、高い電気電導性、低い熱伝導性の相反するファクターを同時に実現する点にあり、本研究が成功した暁にはこの新設計指針をベースにして、他材料への波及効果が期待される。