【1. マイクロマグネティックシミュレーションによる素子設計】 マイクロマグネティックシミュレーションにより、磁気ドットの形状・サイズ・配列/配置の最適ウィンドウを特定するための作業を引き続き進めた。最適ウィンドウを確定させるための大規模な計算が行える環境を用いて、安定動作条件をいくつか提案するとともに、実際に製作した素子の形状を取り込んだ計算や、温度を考慮した計算などに取り組んだ。また、動作不良の原因を調査するため、パラメータ空間を埋めて動作ウィンドウの理解を進めた。 【2. シフトレジスタの試作】 最適化設計指針に従い、プロトタイプ素子を電子線リソグラフィ→スパッタ製膜→リフトオフプロセスによりフレキシブル基板上に試作した。試作した素子の形状・磁気異方性を、電子顕微鏡、磁気力顕微鏡等で確認した。昨年度は様々な磁気ドットの形状や配置を有するプロトタイプの試作を進めたが、今年度はそれらを安定して製作することができるようになり、動作実証へ駒を進めた。 【3. シフトレジスタの動作検証】 ロードセルとリニアエンコーダを装備したモータ駆動式自動引っ張り試験機を用いて応力印加を複数回精密に行い、磁化反転を引き起こす条件を探索した。その結果、ひずみ駆動により磁化は反転する動作の実証に成功した。 【4.リザーバ・コンピューティングの提案】 マイクロマグネティックシミュレーションにより、多数の磁気ドットを有する系においてひずみ情報で駆動するリザーバ・コンピューティングの提案を引き続き進めた。
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