研究代表者は、高温時でcubic になるような等方性の分子柔粘性結晶を利用して、強誘電体の実用化の問題点である「基板上に配向制御した結晶成長が必要になること」「有毒な重金属や希少金属を含むこと」を解決した。さらに、強誘電体の重要な機能である焦電性・圧電性などを分子設計により見出し、含鉛ペロブスカイト強誘電体を代替できる高性能材料の実現を目指す。 分子性の柔粘性結晶を利用して焦電・圧電材料を作る提案である。すでに有機系の強誘電体物質の多結晶体で強誘電性を示す材料を見つけており、この方針に従えば、確実に成果が得られるであろう。実用化だけではなく、機能性物質開発における学理の探求から派生しているものであり、学術としても十分に意味がある。
|