伝導電子同士が相関する強相関電子系中でモット絶縁体に注目し、フレキシブルな有機モットデバイスによって温度・圧力・キャリア密度を同時に変化させた相図を完成させる。さらに、界面SAM法により室温で動作する電子デバイスやスピン注入デバイスを構築し、キラルな有機強相関電子系の結晶でスピン偏極電流を観測し、新たなスピントロニクス開拓を目指す研究である。 フレキシブルな有機モットデバイスならではの強相関電子デバイスを設計し、バンドフィリングと電子相関の双方を同時に制御して自在に電子相を制御可能とする独創性のある手法は、物理化学的特性の探究に有効と働くもの考えられる。キラル結晶を利用したスピン偏極電流の観測は、具体的な分子設計の提案はないが、キラル結晶とスピン軸は必ずしも一致していないため実現は難しく、非常に挑戦的な試みである。
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