本研究課題は、天然から入手困難で複雑な天然有機化合物の中で、これまで研究が不十分であった分子量が500以上の中分子化合物の合成を、研究代表者が提唱するポットエコノミーで達成しようとするものである。特に、研究代表者が開発した有機触媒を駆使した触媒的不斉合成反応を組込むことで、アンポテリシンB、アンフィジノライドN、ステロイド類、及びモルヒネの大量合成可能な短段階合成手法の開発を目指している。 本研究課題で研究代表者がターゲットとしている中分子化合物群は、いずれも天然物合成の分野での重要度が高く、且つ合成の難易度も高いものである。ポットエコノミーを追求した合成法の検討によってそれらの大量合成法が確立されれば、未開拓であったこれら中分子の実用化に向けた創薬研究の促進が期待できる。
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