研究課題
基盤研究(A)
スマネンとは、フラーレンの部分構造やカーボンナノチューブのキャップ構造に相当する、お椀型湾曲構造を有する芳香族化合物であり、日本オリジナルの物質である。これまでに蓄積してきた湾曲構造に由来するスマネンの持つユニークな性質を踏まえ、本研究では、①非アセン型分子に基づく一重項励起子分裂系の設計、②スマネンソフトマテリアル、③曲面空間アーキテクチャー、および④スマネンプロセス化学、の研究を推進する。お椀型湾曲構造芳香族化合物(スマネン)誘導体は、研究代表者らによるオリジナル分子である。スマネンは1次元に積層する構造を取りながら、個々の分子はほぼエネルギー障壁なしに並進・面内回転が起こるなど、ユニークな特性を有しており、日本初の新しい有機分子群として、その研究推進の波及効果は大きいと考える。これまでの分子化学から材料化学へ踏み出す提案は合理的であり意義は大きい。