研究課題/領域番号 |
19H00923
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩田 想 京都大学, 医学研究科, 教授 (60452330)
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研究分担者 |
野村 紀通 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10314246)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 膜タンパク質 / 創薬ターゲット / クライオ電子顕微鏡単粒子解析 / 中分子医薬品 / 抗ウイルス薬 / B型肝炎ウイルス / 抗体 |
研究成果の概要 |
平坦かつ広い結合面からなる膜タンパク質間相互作用に介入するための創薬モダリティとして中分子が有望である。本研究では、B型肝炎ウイルスタンパク質ーヒト肝細胞膜受容体間の相互作用をターゲットモデルとし、中分子医薬を構造ベースで創出するための基盤研究を行なった。HBV感染受容体NTCPのアポ体の構造を世界で初めて解明した。さらに、NTCP-HBVエンベロープpreS1ドメイン複合体構造を決定し、ウイルスー宿主結合の高精度可視化にも成功した。以上の知見は、構造情報に基づく中分子モダリティの抗HBV医薬品開発に新たな道筋を拓く重要な基盤である。
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自由記述の分野 |
構造生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
C型肝炎がほぼ克服された一方で、B型肝炎ウイルス (HBV) の感染を原因としたB型肝炎は依然として公衆衛生上の主要な問題である。慢性B型肝炎は肝硬変や肝細胞がんを引き起こし、全世界で年間90万人が死亡している。また、国内では近年 genotype A(欧米型)のHBV感染による急性B型肝炎が大都市部で急速に増加している。簡便に投与可能なHBV感染抑制薬を開発することにより肝炎罹患の根本原因に歯止めをかけることが強く望まれている。本研究は、HBVと感染受容体NTCP間の高親和性相互作用形成の機序を明らかにし、HBV感染抑制作用のある中分子医薬開発を大きく前進させるための重要な基盤を構築した。
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