脆弱X症候群、ハンチントン病、筋強直性ジストロフィーなどのリピート病は、ヒトゲノム中のリピート配列の異常伸長や異常挿入を原因とする遺伝性の神経変性疾患であり、リピート伸長抑制による発症抑制等の根治療法や症状緩和等のQOL改善法が待ち望まれている。本研究はこれら不治の疾患に対する治療介入の手法として、リピート結合分子の効果を基礎化学的な側面から検討したものである。今回合成した分子には化学的な安定性と高い化学反応性という相反する性質が求められたため、望む化合物を得ることはできなかったが、より精緻な分子設計により克服することができれば、難治性疾患に悩む多くの方の一助となると考えられる。
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