研究課題/領域番号 |
19H00926
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
城 宜嗣 兵庫県立大学, 理学研究科, 特任教授 (70183051)
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研究分担者 |
村本 和優 兵庫県立大学, 理学研究科, 准教授 (50305679)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 一酸化窒素還元酵素 / 一酸化窒素 / 脱窒 / 亜酸化窒素 / 抗菌ガス / 呼吸酵素の分子進化 / 抗菌剤開発 |
研究成果の概要 |
膜結合型一酸化窒素還元酵素NORは、活性中心にヘム鉄と非ヘム鉄の複核中心を有し、嫌気呼吸の一種である脱窒において、その反応進行の鍵となる一酸化窒素NO還元反応を触媒する酵素である。また、病原菌の生活環においても重要な役割を果たしていることも知られている。本研究では、髄膜炎菌のqNORの単量体と二量体の分子構造を低温電子顕微鏡法で明らかにした。また、qNORと阻害剤との反応ならびに複合体の構造を詳細に解析した。緑膿菌のcNORとNOの反応を、時分割可視・赤外分光法を用いて詳細に解析し、NO還元反応の分子機構を確定した。
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自由記述の分野 |
構造生命科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
髄膜炎菌のqNORは、菌が宿主内でバイオフィルム内で嫌気呼吸をおこない、なおかつ宿主が産生する抗菌ガスNOを無毒化する上で、鍵となる酵素である。本研究で分子構造と反応プロトンの移動との関係、阻害剤との相互作用の詳細が明らかになったことにより、抗菌薬設計の基礎データとなる。また、緑膿菌cNORを用いた反応解析から、酵素反応の分子機構が提案でき、好気呼吸酵素との比較が可能となり、呼吸酵素の分子進化を議論できるようになった。さらに、NOR反応の生成物が、地球環境破壊に関係していることから、環境科学の観点からも今後注目される成果となった。
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