研究課題
基盤研究(A)
結核菌など抗酸菌の細胞壁のアラビナンは、植物に見られるそれと鏡像(鏡像体アラビナン)の関係にあり、それが細胞認識などの抗酸菌の特性と関連している。本研究課題では、綿密に計画された多面的アプローチによりポリアラビノマンナン(LAM)分解酵素の機能構造解析、複雑なLAMの化学構造の完全決定、合成基質と阻害剤の開発、そして非天然レクチン(特異的結合タンパク質)の開発が行われる。学術的意義、期待される成果として、(1)LAM分解酵素は新規酵素として、新しいEC番号付与、糖質関連酵素データベースCAZyの加水分解酵素(GH)新規ファミリーが作られる。(2)免疫賦活能があるLAMの完全構造決定がなされる。(3)LAM分解酵素の合成基質と阻害剤が開発される。(4)鏡像体アラビナン可視化ツールの開発を通じて、鏡像アラビナン分解・代謝機構の解明とワクチン・診断薬開発に繋がる。