• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実績報告書

植物栄養輸送体の細胞膜における偏在の分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 19H00934
研究機関大阪府立大学

研究代表者

高野 順平  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (70532472)

研究分担者 高須賀 太一  北海道大学, 農学研究院, 准教授 (70748409)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード植物栄養 / 膜交通 / 偏在 / ホウ素 / エンドサイトーシス / 小胞輸送
研究実績の概要

植物は体内の様々な細胞に膜輸送体を発現させ、栄養の吸収・輸送や毒性物質の排出・隔離を行っている。その際、細胞の片側の細胞膜に輸送体を配置することで方向性を持った輸送を可能にしている。本研究の目的は、輸送体が根の各細胞で土壌および中心柱に面した側の細胞膜に偏在するメカニズムを理解することである。そのため、対照的な偏在性を示すホウ酸輸送体をモデルとし、細胞内小胞輸送の方向決定メカニズムを中心に解明する。本年度は、ホウ酸トランスポーターBOR1は対象とした順遺伝学的解析を進めたほか、BOR1およびNIP5;1のアミノ酸配列の解析を進め偏在性に重要な新たな領域を同定した。BOR1およびホウ酸チャネルNIP5;1の相互作用タンパク質の探索も進めた。現在までに決定的な結果は得られていないが、GSTプルダウンとLC-MS/MS質量分析の実験系を確立し、相互作用候補タンパク質のリストアップに至っている。また、逆遺伝学的解析により偏在性に重要と考えられる膜交通に関するタンパク質の寄与を解析した。輸送小胞への積荷タンパク質の選別に重要なクラスリンアダプタータンパク質 (AP) 複合体のうちAP2については、BOR1と結合し恒常的なエンドサイトーシスを促進することで、偏在性の維持において重要な役割を果たすことを論文発表した (Yoshinari et al. Plant Physiology 2019)。AP2がNIP5;1のエンドサイトーシスと偏在性に寄与することは本研究開始前に発表しているが、NIP5;1との直接結合するかどうかは明らかでなかった。そこで本年度はNIP5;1とAP2複合体の結合を解析する実験系を確立した。逆遺伝学的に解析した他の候補因子については、明確な重要性は見出せなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

相互作用解析について各実験系のセットアップに試行錯誤が必要であった。順遺伝学的な解析では、BOR1の偏在性に以上のある変異株のほとんどが種子の形成に異常を持ち、継続が困難になった。

今後の研究の推進方策

相互作用解析については、分担研究者の高須賀氏の研究室との連携を深めているため、今後進展が見込める。順遺伝学的解析については、偏在性の有無の判定がしやすい新たなスクリーニング系を立ち上げる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Polar Localization of the Borate Exporter BOR1 Requires AP2-Dependent Endocytosis.2019

    • 著者名/発表者名
      Yoshinari, A., Hosokawa, T., Amano, T., Beier, M.P., Kunieda, T., Shimada, T., Hara-Nishimura, I., Naito, S., and Takano, J.
    • 雑誌名

      Plant Physiology

      巻: 179 ページ: 1569-1580

    • DOI

      https://doi.org/10.1104/pp.18.01017

    • 査読あり
  • [学会発表] ホウ酸トランスポーターの偏在・分解を制御するエンドメンブレンシステム2020

    • 著者名/発表者名
      高野順平
    • 学会等名
      日本植物生理学会 大阪大会
  • [学会発表] AP2-dependent and independent endocytic pathways: differential regulation of polar localization and vacuolar sorting of the borate transporter BOR12019

    • 著者名/発表者名
      Akira Yoshinari, Takuya Hosokawa, Taro Amano, Marcel Pascal Beier, Tadashi Kunieda, Tomoo Shimada, Ikuko Hara-Nishimura, Satoshi Naito, Junpei Takano
    • 学会等名
      International Workshop on Plant Membrane Biology (IWPMB2019)
  • [学会発表] ホウ酸トランスポーターの極性輸送と液胞輸送におけるエンドサイトーシスのルート2019

    • 著者名/発表者名
      高野順平
    • 学会等名
      日本植物学会 第83回大会
    • 招待講演
  • [備考] 大阪府立大学植物栽培生理学研究グループ

    • URL

      http://saibaiseirigaku.wix.com/crop-ecophysiology

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi