研究課題
基盤研究(A)
葯培養は種々の作物で利用される半数体育種技術であるが、なぜ小胞子が高い個体分化能を保持するのかは明らかではない。本研究では、イネの小胞子がもつ優れた個体分化能をエピゲノムの観点から理解し、小胞子から直接植物体を得る培養法を開発する。また、アジアイネとアフリカイネの不稔のF1雑種の葯培養で得た稔性を有する個体が、倍数性を獲得した経緯を探る。個体再生の効率に品種・系統間差異が大きいため、葯培養は半数体育種の汎用技術とは未だなっていない。小胞子の個体分化能の分子レベルでの理解は、再生効率の系統間差異の原因解明につながり、低効率系統の効率向上をもたらすことが期待される。また、本研究により、単離した小胞子から直接植物体を得る培養法の効率化が図られることが期待される。