研究課題
2022年度は、維管束の接続形成の機構解析として、人為的に組織内での細胞タイプ構成比を変えたホストに寄生をさせることを試みた。前年度までの研究で、維管束形成不全変異植物体であるwox4、tdr、apl等を用いた場合でも、吸器先端の探索糸細胞が道管へ分化する率は変わらないことがわかっていた。そこで今年度は、神戸大・近藤侑貴博士が開発したVISUALならびにVISUAL-CC法で、シロイヌナズナの子葉葉肉細胞を維管束細胞へリプログラムした組織をホストとしてアメリカネナシカズラを寄生させることを試みた。子葉への寄生には、分担者・横山のグループが開発したin vitro寄生法を用いた。子葉に対してin vitro寄生法によって吸器を形成さえる光処理条件を確立し、現在VISUAL法で道管または篩管を誘導した子葉への吸器侵入の確認を実施している。ホスト植物とアメリカネナシカズラ間での細胞接続形成機構を解析するために、植物間に形成される二次原形質連絡の形成機構を解析した。二次原形質連絡が形成されるタイミングで、探索糸細胞を含む領域で特異的に発現が上昇している原形質連絡を構成するタンパク質遺伝子4つを同定し、そのうち2遺伝子のプロモーター領域に結合する転写制御因子を酵母ワンハイブリッド法でスクリーニングした。その結果、アメリカネナシカズラのDNA結合性を示すSerThrキナーゼ、ならびにシロイヌナズナにコードされているncRNAで短鎖ペプチドをコードする遺伝子が候補化された。また、産総研のシロイヌナズナ転写因子濃縮cDNAライブラリーを用いたスクリーニングも実施し、2プロモーターそれぞれに対して、アメリカネナシカズラ転写因子5遺伝子を候補化し、現在DNA結合性の確認と、植物における原形質連絡構成タンパク質遺伝子の転写制御への関与を確認するための準備を進めている。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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