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2020 年度 実績報告書

クルマエビ類病原ウイルスWSSVの病原性メカニズムの分子レベルでの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19H00949
研究機関東京海洋大学

研究代表者

廣野 育生  東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (00270926)

研究分担者 近藤 秀裕  東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (20314635)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードクルマエビ / 病原ウイルス / ホワイトスポット病ウイルス
研究実績の概要

①クルマエビ類ゲノムに存在するWSSV類似化石ウイルスを遺伝子工学手法による復元
:化石ウイルスのゲノム完全長をクローン化するためにPCRによるDNA断片の増幅を行い、大腸菌に導入する実験を行ったが、配列中に大腸菌内では安定に存在できない配列があることが示唆された。そこで、PCRで増幅する領域を短くし大腸菌に導入する実験を行ったところ、大腸菌内で安定に存在できない領域を確認できた。今後、まずはこの領域を除いてWSSV類似化石ウイルスを復元するための実験を進める予定である。
②WSSVに特異的に存在する遺伝子を復元化石ウイルスに導入したキメラウイルスの作製とWSSVの病原性メカニズムの解明:WSSVに近縁なズワイガニ由来の現存ウイルスのゲノム、化石ウイルスとWSSVのゲノム比較解析を行い、WSSVに特異的に存在する遺伝子を特定した。今後、これらの遺伝子の発言プロファイリングを行い、病原性との関係解明を進める
③WSSV類似化石ウイルスゲノムに存在する遺伝子から転写されるmRNAの機能:昨年度に調べた化石ウイルスゲノム遺伝子より転写される遺伝子群の中に、特定の組織・臓器でのみ転写されている遺伝子が見つかった。今後、この様な特異的な発現動態を示す遺伝子とWSSV感染との関係を検討する。
④WSSVの感染・発症抑制に関する研究:複数種類の微生物を用いてWSSVの感染あるいは発症を抑制することができる機能を有しているかについて調べたところ、WSSVの感染を抑制している可能性がある微生物を見つけることができた。今後、感染抑制に関するメカニズムについて詳細な解析を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

クルマエビとWSSVとの相互作用を解明するためのツールとして、クルマエビの遺伝子配列情報は重要であり、クルマエビのゲノム配列情報より遺伝子配列情報のデータベースを構築できたこや、WSSVの近縁ウイルスについてゲノムに存在する遺伝子の比較をすることができたことおよびWSSVゲノムおよび化石化WSSV類似ウイルスゲノム中に大腸菌内での複製を抑制する配列が存在することがわかり、大腸菌ないでウイルスを復元する研究について前進することができたことから、研究は概ね順調に進んでいるとが、昨年度からクルマエビ細胞への環状のDNAを導入する実験がうまく進んでおらず、原因解明のために実験条件をいろいろと試している。

今後の研究の推進方策

クルマエビ類の継代できる株化細胞が樹立されていないことから、細胞を株化できない原因について、初代培養細胞における経時的にサンプリングして遺伝子プロファイリングを行い、遺伝子発現動態から解析を進める。
WSSVウイルスの感染あるいは発症を抑制することができる微生物を見つけることができたので、この微生物が産生する物質とWSSV感染との相互作用について解析することも実施し、WSSVの感染発症に至るメカニズムの解明に繋げる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] Kasetsart University/Walailak University/タイ水産局(タイ)

    • 国名
      タイ
    • 外国機関名
      Kasetsart University/Walailak University/タイ水産局
  • [雑誌論文] Analysis of microbiota in the stomach and midgut of two penaeid shrimps during probiotic feeding.2021

    • 著者名/発表者名
      Imaizumi K, Tinwongger S, Kondo H, Hirono I.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 11 ページ: 9936

    • DOI

      10.1038/s41598-021-89415-w.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] An oral delivery system for controlling white pot syndrome virus infection in shrimp using transgenic microalgae.2020

    • 著者名/発表者名
      Kiataramgul A, Maneenin S, Purton S, Areechon N, Hirono I, Brocklehurst TW, Unajak S.
    • 雑誌名

      Aquaculture

      巻: 521 ページ: 735022

    • DOI

      10.1016/j.aquaculture.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] タイ王国のバナメイエビ養殖場における池水中およびエビ消化管中の微生物叢の動態2021

    • 著者名/発表者名
      今泉健太郎・近藤秀裕(海洋大)・Sataporn Direkbusarakom(ワライラック大)・廣野育生
    • 学会等名
      令和3年度日本水産学会春季大会

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公開日: 2021-12-27  

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