①クルマエビ類ゲノムに存在するWSSV類似化石ウイルスを遺伝子工学手法による復元 WSSV由来の長鎖DNA断片は大腸菌内で不安定であり、領域によっては大腸菌へ導入することが困難であることがわかったことから、今年度はWSSVのゲノムを30kb程度の長さで増幅しBACベクターにクローン化した。次いで、korera30kb程度のクローンをつなぐ操作を行い、7本のDNA断片でWSSVの全ゲノムをカバーするクローンを作製することができた。これらクローンの両端の塩基配列の確認を行い、得られたクローンがWSSVのものであることが確認できた。今後は、これら7クローンを連結し、WSSVゲノムをBACベクターと大腸菌で維持し、遺伝子編集を行えるようにする。 ②WSSVに特異的に存在する遺伝子を復元化石ウイルスに導入したキメラウイルスの作製とWSSVの病原性メカニズムの解明 近年クルマエビ養殖場で発生しているWSSVは以前のものより病原性が低くなっている可能性があることから、ゲノム解析を行い、遺伝子構造について最近のWSSVと以前のものとを比較解析したところ、WSSVゲノムに変異が起きていることがわかった。異なる年代に分離されたWSSVについてクルマエビを用いて感染試験を行ったところ、病原性の違いが見られた。今後は、この変異領域がWSSVの病原性マーカーとして利用できるかについて、疫学的な調査を進める。さらに、化石ウイルスゲノムとの比較解析により、変異が起きている領域の分子進化解析も行うことにより、WSSVの病原性について明らかにする手がかりになると思われる。
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